7.ボーカルスタイルと歌声パラメーター_SynthesizerV
Synthesizer Vにはボーカルスタイルや歌声パラメーターなど、楽曲の雰囲気に合わせて歌い方を変えることができるさまざまな機能が用意されています。
そこでこの記事では、ボーカルスタイルと歌声パラメーターの効果を1つずつ説明し、実際に歌声がどのように変化するかを比較しながら聞いてもらおうと思います。
この記事を読めば、ボーカルスタイルや歌声パラメーターの使い方が分かるようになるので、楽曲の雰囲気に合わせて歌い方を変化させたいかたは、ぜひ最後までご覧ください。
ボーカルスタイル
ボーカルスタイルは歌い方を調節するパラメーターです。設定できる項目は歌声データベースごとに異なり、女性ボーカル「AI Mai」の場合は、2つのパラメーターが設定できます。
それでは、女性ボーカル「AI Mai」のボーカルスタイルを切り替えると、どのような歌い方をしてくれるか聴いてみましょう。
女性ボーカル「AI Mai」のボーカルスタイル
童謡「赤とんぼ」の1フレーズを歌ってもらいました。最初の歌声はデフォルト、次の歌声はエモーショナル、最後の歌声はソフトに設定しています。
Emotionalに設定した歌声はデフォルトよりも感情がこもった歌い方に聴こえます。Soltに設定した歌声はデフォルトよりも優しく、穏やかな歌い方になっています。
ボーカルスタイルの各パラメーターは、個別に調整することも可能です。楽曲の雰囲気や求める表現に合わせて、さらに細かく調整しても良いでしょう。
歌声パラメーターの種類
Synthesizer Vには5つの歌声パラメーターが用意されています。これらのパラメーターを上手く活用すると、楽曲の雰囲気に合わせた歌声を作り出すことができます。
それでは、歌声パラメーターの効果を1つずつ見ていきましょう。
テンション
テンションは声の張り具合をコントロールするパラメーターです。プラスに設定すると、声の張りが強まり、パワフルで迫力のある歌声に変わります。
逆に、テンションをマイナスに設定すると、声の張りが緩み、優しく柔らかい歌声になります。
それでは、女性ボーカル「AI Mai」のテンションを変化させると、どのような歌声になるのか、実際に聴いてみましょう。
テンションを変化させた歌声
童謡「赤とんぼ」の1フレーズを歌ってもらいました。最初の歌声はテンション「0」、次の歌声はテンション「-1.0」、最後の歌声はテンション「1.0」に設定しています。
テンションを下げた歌声は声の張りが弱まり、優しく柔らかい声になっています。一方、テンションを上げた歌声は声の張りが強く、パワフルで迫力があります。
ブレス
ブレスは声に含まれる息の量をコントロールするパラメーターです。プラスに設定すると、息の量が増え、吐息交じりの歌声に変化します。
逆に、ブレスをマイナスに設定すると、息の量が減り、芯のある力強い歌声になります。
それでは、女性ボーカル「AI Mai」のブレスを変化させると、どのような歌声になるのか、実際に聴いてみましょう。
ブレスを変化させた歌声
童謡「赤とんぼ」の1フレーズを歌ってもらいました。最初の歌声はブレス「0」、次の歌声はブレス「1.0」、最後の歌声はブレス「-1.0」に設定しています。
ブレスを上げた歌声は息の量が多くなり、ささやくような歌い方になっています。一方、ブレスを下げた歌声は息の量が少なくなり、ハキハキとした歌い方に変化しています。
ラウドネス
ラウドネスは声の音量をコントロールするパラメーターです。ボーカルスタイルや歌声パラメーターを調整した際に変化した音量を修正するために使用します。
例えば、ブレスを上げて下がった音量を補強したり、テンションを上げて上がりすぎた音量を少し抑えたりする時に活用します。
それでは、女性ボーカル「AI Mai」のラウドネスを変化させると、どのような歌声になるのか、実際に聴いてみましょう。
ラウドネスを変化させた歌声
童謡「赤とんぼ」の1フレーズを歌ってもらいました。最初の歌声はラウドネス「0」、次の歌声はラウンドネス「6.0」、最後の歌声はラウンドネス「-4.0」に設定しています。
ラウドネスを上げた歌声は音量が大きくなり、よりはっきりと聴こえるようになりました。一方、ラウドネスを下げた歌声は音量が小さくなり、より静かな歌声になっています。
トーンシフト
トーンシフトは声のトーンをコントロールするパラメーターです。プラスに設定すると、声が明るくなり、軽やかで鮮明な歌声に変化します。
逆に、トーンシフトをマイナスに設定すると、声が暗くなり、落ち着いた歌声になります。
それでは、女性ボーカル「AI Mai」のトーンシフトを変化させると、どのような歌声になるのか、実際に聴いてみましょう。
トーンシフトを変化させた歌声
ドレミファを「ラ」で歌ってもらいました。最初の歌声はトーンシフト「0」、次の歌声はトーンシフト「400」、最後の歌声はトーンシフト「-300」に設定しています。
トーンシフトを上げた歌声は声が明るくなり、元気な歌声になっています。一方、トーンシフトを下げた歌声は暗い声になり、落ち着いた歌声に聴こえます。
ジェンダー
ジェンダーは声の太さをコントロールするパラメーターです。プラスに設定すると、声が太くなり、大人びた歌声に変わります。
逆に、ジェンダーをマイナスに設定すると、声が細くなり、幼い歌声に変化します。
それでは、女性ボーカル「AI Mai」のジェンダーを変化させると、どのような歌声になるのか、実際に聴いてみましょう。
ジェンダーを変化させた歌声
童謡「赤とんぼ」の1フレーズを歌ってもらいました。最初の歌声はジェンダー「0」、次の歌声はジェンダー「-0.2」、最後の歌声はジェンダー「0.2」に設定しています。
ジェンダーを下げた歌声は声が細くなり、幼い声になっています。一方、ジェンダーを上げた歌声は声が太くなり、少し大人びた声に聴こえます。
ジェンダーはトーンシフトと組み合わせて使うと、女性ボーカルを男性ボーカルっぽくすることもできます。
女性ボーカル「AI Mai」を男性ボーカルっぽくした歌声
女性ボーカル「AI Mai」を男性ボーカルっぽくした歌声です。元が女性ボーカルであるため、完全な男性ボーカルとは言えませんが、十分に実用的なレベルにすることができます。
この機能を使えば、女性ボーカルを男性ボーカルとして活用したり、男女でデュエットさせたりすることも可能です。
まとめ
今回はボーカルスタイルと歌声パラメーターの効果を1つずつ説明し、実際に歌声がどのように変化するかを比較しながら聞いてもらいました。
これらの機能を上手く使いこなすと、楽曲の雰囲気に合わせて自由に歌い方を変えられるようになります。この機会にしっかりと使い方をマスターして、あなたの音楽制作に役立てましょう。
Synthesizer Vの使い方講座では、基本的な操作方法から各機能の使い方まで幅広く紹介しています。ご興味があるかたは他の記事も合わせてご覧ください。