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6.カットオフ周波数とレゾナンス【フィルター編①】_Synth1


今回は基本3セクションの一つであるフィルター(VCF)について説明します。フィルターは音をカットしたり強調させたりして、音色の特徴を作り出す部分になっています。

 

フィルター編①では、カットオフの使い方やフィルターの種類について説明します。それでは一緒に見ていきましょう。

本章で説明する範囲

 

 

 

 

カットオフ周波数


カットオフ周波数はフィルターのかかり始めを決めるパラメーターです。下の図で見ると、赤点がその部分にあたり、この位置からフィルターがかかります。

 

赤点の位置はfrqツマミで調整することができ、右に回すほど赤点が右へ、左に回すほど赤点が左へ移動します。

 

 

 

レゾナンス


レゾナンスはカットオフ周波数付近の音を強調させるパラメーターです。このツマミを右に回すと、音がブースト(強調)され、クセの強いシンセサウンドになります。

 

図だけでは変化が分かりづらいので、レゾナンス無しとレゾナンス有りの音源を聴き比べてみましょう。

レゾナンス無しとレゾナンス有りの音色

1回目はレゾナンス無しの音色、2回目はレゾナンス有りの音色になります。設定はどちらも同じでレゾナンスを使ったか使っていないかの違いです。

レゾナンスをかけると「ミョーン」という、いかにもシンセらしいサウンドを出すことができます。

レゾナンスのかけすぎには注意しよう!


レゾナンスは音痩せやハウリングの原因になるので、resツマミの上げすぎには注意しましょう

 

 

フィルターの種類

シンセサイザーにはさまざまなフィルターが用意されていますが、一般的によく使われるフィルターは以下の4種類になります。

ローパスフィルター
ハイパスフィルター
バンドパスフィルター
バンドエリミネーションフィルター

 

Synth1にはそのうち3種類のフィルターしか搭載されていませんが、一般的な4つのフィルターの効果を1つずつ見ていきましょう。

 

ローパスフィルター(LP)


ローパスは低域を通して高域をカットするフィルターです。シンセサイザーでは最もよく使われるフィルターで、高域をカットしたい時や音をこもらせたい時などで使用します。

ローパスはfrqツマミを右一杯に回すことですべての音を通し、左に回していくほどフィルターが閉じ、高域がカットされます。

 

それでは、実際に音色がどのように変化するかを聴いてみましょう。

ローパスにカットオフを使用した音色

1回目はすべての音を通した音色、2回目以降は高域を徐々にカットした音色になります。1回目の音色はすべての音を通すため、高域のキンキンとした音が特徴的でよく目立ちます。

2回目の音色は高域がカットされたことでやや控えめな音になり、扱いやすいサウンドになりました。3回目の音色は高域がよりカットされたことでこもった音に聞こえます。

 

ハイパスフィルター(HP)


ハイパスは高域を通して低域をカットするフィルターです。ローパスとは逆の働きをし、低域をカットしたい時や軽いサウンドを作りたい時などで使用します。

ハイパスはfrqツマミを左一杯に回すことですべての音を通し、右に回していくほどフィルターが閉じ、低域がカットされます。

 

それでは、実際に音色がどのように変化するかを聴いてみましょう。

ハイパスにカットオフを使用した音色

1回目はすべての音を通した音色、2回目以降は低域を徐々にカットした音色になります。1回目の音色はすべての音を通すため、低域がしっかりと出た迫力のあるサウンドに聴こえます。

2回目の音色は低域がカットされたことで高域が目立つサウンドになりました。3回目の音色は低域がよりカットされたことでハイハットらしい音に聴こえます。

 

バンドパスフィルター(BP)


バンドパスは特定の音域のみを通すフィルターです。それ以外の音域はカットしてしまうので、ローパスとハイパスを組み合わせたようなフィルターになっています。

特定の音域しか通さないので、限られた音域だけを通したい時に使われます。また、Synth1には付いていませんが、バンド幅を調整できるものも存在します。

 

それでは、実際に音色がどのように変化するかを聴いてみましょう。

バンドパスにカットオフを使用した音色

1回目は低域、2回目は中域、3回目は高域を通した音色になります。バンドパスは指定した音域のみを通すので、ローパスとハイパスを組み合わせたような音が出ます。

ただし、Synth1のバンドパスはバンド幅が広いため、指定した音域付近の音もよく通します。そのため、ちょっと緩めなローパスとハイパスがかかったような音色になります。

 

バンドエリミネーションフィルター


特定の音域のみをカットし、それ以外の音域をすべて通すフィルター。バンドパスとは逆の働きをし、他の楽器と音域がぶつかる時やハウリング対策などで使われることが多い。

このフィルターは音作りというよりも音響補正用として使われるため、Synth1には未搭載となっています。音作り用のフィルターではないため、音源の添付は割愛させていただきます。

別名ではバンドリジェクトフィルターやノッチフィルターとも呼ばれている。

 

 

 

3種類のローパスフィルター

Synth1には3種類のローパスフィルターが用意されています。

 

フィルターはLP12やLP24のようにアルファベットと数字がセットになっており、アルファベットはフィルターの種類、数字はフィルターのかかり具合を表しています。

この数字は12→24→36というように値が大きくなるほど、フィルターのかかり具合がキツくなり、カットする音の範囲も広がります。

 

図だけでは変化が分かりづらいので、波形でも違いを見てみましょう。

LP12


LP12は傾きが緩いため、フィルターは自然な感じでかかります。倍音はあまりカットされないので、音のキレは悪くなりますが、滑らかなサウンドになります。

 

LP24


LP24は傾きが急なため、フィルターは大胆にかかります。キレ味が大きい分、音のキレは良くなりますが、滑らかさのないサウンドになります。

特殊なローパス「LPDL」とは・・


LPDLはローランドの名機「TB303」に搭載されたダイオードラダー型をモデルにしたローパスフィルターです。一般的なシンセサイザーには搭載されていない特殊なフィルターで、LP24よりも暗くて太い音色が出せます。

 

 

まとめ

今回はカットオフの使い方やフィルターの種類について説明しました。フィルターは音色の変化がイメージしづらいため、他のセクションよりも内容が少し難しかったかもしれません・・。

フィルター編では音源や図などを多めに入れてみたので、本章を読みながら自分の手でもSynth1を動かしてみてください。

 

次回でいよいよ基本3セクションの説明は終わりです。今度も私なりに分かりやすく解説していくつもりので、どうぞ最後までお付き合いください^^

【Synth1の使い方講座】

5.アンプ編

7.フィルター編②

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