ディレイ「MonoDelay」の使い方講座_Cubase

Cubaseに標準で搭載されているディレイ「MonoDelay」は、シンプルな操作性で扱いやすく、幅広い場面で活用できる便利なエフェクトです。

そこでこの記事では、「MonoDelay」の各パラメーターの使い方と、それぞれが音に与える効果について詳しく説明します。

この記事を読めば、「MonoDelay」の基本的な使い方が分かるようになるので、ディレイをこれから使い始めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

エフェクトのかけ方については、こちらの記事で解説しています。

ディレイ「MonoDelay」の使い方

ここでは、「MonoDelay」の各機能について説明します。

Lo Filter（ローフィルター）

Lo Filterはディレイ音に含まれる低音をカットするフィルターです。指定した周波数より下の帯域を除去することで、ディレイ音が濁ったり、ベースなどの低域と干渉するのを防ぎます。

フィルターを使用しない場合は、下のボタンをクリックしてオフに切り替えることもできます。

ローフィルターの効果を聴いてみよう！

ローフィルターを10Hzと800Hzに設定したピアノ音源です。最初の音源は低域をほとんどカットしていないため、ディレイ音にも低域がしっかりと残っています。

一方、次の音源では800Hz以下をカットしているため、低域が抑えられ、より軽やかなディレイサウンドになっています。

Hi Filter（ハイフィルター）

Hi Filterはディレイ音に含まれる高音をカットするフィルターです。指定した周波数より上の帯域を除去することで、耳障りな高音を抑え、他の楽器とのぶつかりを防ぎます。

フィルターを使用しない場合は、下のボタンをクリックしてオフに切り替えることもできます。

ハイフィルターの効果を聴いてみよう！

ハイフィルターを20kHzと1.2kHzに設定したピアノ音源です。最初の音源は高域をほとんどカットしていないため、ディレイ音にも高音がしっかりと残っています。

一方、次の音源では1.2kHz以上をカットしているため、高音が抑えられ、こもったディレイサウンドになっています。

Sync（シンク）

Syncはディレイタイムを楽曲のテンポに同期させる機能です。オンにすると、ディレイ音のタイミングがテンポに沿って再生されます。

オフにすると、テンポに関係なく、ミリ秒（ms）単位で自由に設定できます。

Delay（ディレイ）

Delayは原音が鳴ってからディレイ音が発生するまでの時間を決めるパラメーターです。初期状態ではSyncがオンになっており、時間（ディレイタイム）は音符の長さで指定します。

たとえば、値を「1/4」に設定すると、4分音符の間隔でディレイ音が再生されます。

＊ピアノロール上のディレイ音は視覚的なイメージであり、実際に入力されるわけではありません。

Syncをオフにすると、ディレイタイムはミリ秒（ms）単位で自由に設定できます。

ディレイの効果を聴いてみよう！

ディレイを「1/4」と「1/8」に設定したピアノ音源です。最初の音源はディレイが「1/4」に設定されているため、ディレイ音は4分音符の間隔で鳴ります。

一方、次の音源では「1/8」に設定されているため、8分音符の間隔でより細かくディレイ音が返ってきます。

Feedback（フィードバック）

Feedbackはディレイ音を何度繰り返すかを調整するパラメーターです。数値を上げるほど繰り返しの回数が増え、下げると少ない回数でディレイ音が消えていきます。

たとえば、Feedbackの数値を60%に設定すると、ディレイ音は複数回繰り返され、徐々に小さくなって消えていきます。

フィードバックの効果を聴いてみよう！

フィードバックを0%と50%に設定したピアノ音源です。最初の音源ではフィードバックが0%に設定されているため、ディレイ音は一度だけ再生され、すぐに途切れます。

次の音源ではフィードバックが50%に設定されているため、ディレイ音は複数回繰り返され、残響がより長く続きます。

Mix（ミックス）

Mixは原音（Dry）とディレイ音（Wet）のバランスを調整するパラメーターです。数値を上げるほどディレイ音の割合が増え、下げると原音の比率が高くなります。

たとえば、Mixを70%に設定すると、原音が約30%、ディレイ音が約70%の割合で再生されます。

ミックスの効果を聴いてみよう！

ミックスを20%と80%に設定したピアノ音源です。最初の音源ではミックスが20%に設定されているため、原音が強く、ディレイ音は控えめに聞こえます。

一方、次の音源ではミックスが80%に設定されているため、ディレイ音の割合が増え、原音は控えめに聞こえます。

まとめ

今回はCubaseに標準で搭載されているディレイ「MonoDelay」の各パラメーターの使い方と、それぞれが音に与える効果について詳しく説明しました。

MonoDelayはシンプルな操作性で扱いやすく、さまざまな場面で活躍する便利なディレイエフェクトです。この機会に使い方を覚え、ディレイを活かした音作りに挑戦してみましょう。

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