8．演奏表現をコントロールしよう！【CONTROL編】_MODO BASS

CONTROLセクションには、演奏のニュアンスを細かくコントロールできる多彩な機能が備わっており、打ち込みベースにリアルな表現を加えることができます。

そこでこの記事では、CONTROLセクションの構成や表示内容の見方に加えて、各機能が再現する演奏表現についても詳しく説明します。

この記事を読めば、演奏中に奏法やニュアンスを自在に切り替えられるようになるので、演奏表現を細かく調整したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

CONTROLセクションの見方

CONTROLセクションでは、演奏表現が一覧で表示され、TYPE・VALUE・LATCHを使って動作の条件を細かく設定できます。

それでは、CONTROLセクションの見方を順番に確認していきましょう。

TYPE（タイプ）

TYPEは演奏表現に使うコントロールタイプを選ぶエリアです。タイプは4種類あり、設定する演奏表現によって使用できるタイプが異なります。

・キースイッチ（KS）
・コントロールチェンジ（CC）
・ピッチホイール（PW）
・アフタータッチ（AT）

キースイッチ（KS）

キースイッチは特定のMIDIノートを使って奏法を切り替える機能です。あらかじめ割り当てられたキーを入力することで、演奏スタイルを変更できます。

たとえば、PICKの場合はD#0にキースイッチが割り当てられているため、ピアノロール上のその位置にノートを打ち込むと奏法が切り替わります。

コントロールチェンジ（CC）

コントロールチェンジはイベントグラフを使って演奏中の音に変化を加える機能です。指定されたCC番号に数値を入力することで、演奏表現を細かく調整できます。

たとえば、MUTINGの場合はCC 9のイベントグラフを表示し、数値を入力することでミュートの強さが変化します。

ピッチホイール（PW）

ピッチホイールはピッチベンドを使って音程を上下させる機能です。使用方法にはMIDIキーボードのピッチホイールによるリアルタイム録音と、ピッチベンドへの直接入力があります。

たとえば、SLIDEの場合はピッチベンドのイベントグラフを表示し、ピッチホイールでリアルタイム録音するか、数値を直接入力して音程を変化させます。

アフタータッチ（AT）

アフタータッチは鍵盤を押し込んだ圧力で音を変化させる機能です。使用方法はアフタータッチ対応のMIDIキーボードによるリアルタイム録音と、イベントグラフへの直接入力があります。

たとえば、VIBRATOの場合はアフタータッチのイベントグラフを表示し、対応のMIDIキーボードでリアルタイム録音するか、数値を直接入力して音程を揺らします。

VALUE（バリュー）

VALUEは各入力方法に対応するノート名やCC番号を設定するエリアです。キースイッチの場合は切り替えに使うMIDIノートを、コントロールチェンジの場合は使用するCC番号を指定します。

設定されているノート名やCC番号は、上下にドラッグして変更することもできます。

LATCH（ラッチ）

LATCHはコントロール信号の動作方法を切り替えるエリアです。ONでは信号を受け取るたびにオン／オフが切り替わり、OFFでは信号を受け取っている間だけオンの状態が続きます。

GHOST MODEでLATCHがONの場合は、信号を受け取るたびにGHOST MODEのオン／オフが切り替わります。

GHOST MODEでLATCHがOFFの場合は、信号を受け取っている間だけGHOST MODEがオンになります。

CONTROLセクションの各機能

ここでは、CONTROLセクションに用意された各機能とその使い方を順番に紹介します。

PIZZICATO/FINGER

PIZZICATO/FINGERは演奏スタイルを「ピチカート」または「指弾き」に切り替える機能です。初期設定では、C#0のキースイッチで演奏スタイルが切り替わるようになっています。

たとえば、ピック弾きの途中で指弾きに切り替える場合は、下図のようにC#0の位置にノートを打ち込みます。

PICK

PICKは演奏スタイルを「ピック弾き」に切り替える機能です。初期設定では、D#0のキースイッチで演奏スタイルが切り替わるようになっています。

たとえば、指弾きの途中でピック弾きに切り替える場合は、下図のようにD#0の位置にノートを打ち込みます。

SLAP

SLAPは演奏スタイルを「スラップ」に切り替える機能です。初期設定では、F#0のキースイッチで演奏スタイルが切り替わるようになっています。

たとえば、指弾きの途中でスラップに切り替える場合は、下図のようにF#0の位置にノートを打ち込みます。

BEND

BENDは音程を変化させる機能です。初期設定ではコントロールチェンジのCC 5に割り当てられており、ノートの音程を上下に動かすことができます。

音程の変化範囲は±4半音で、入力値に応じてピッチが上下に変化します。

たとえば、音程を半音2個分（全音）上げたい場合は、CC 5のイベントグラフを表示し、下図のように値を入力します。

SLIDE

SLIDEはスライド奏法を再現する機能です。初期設定ではPW（ピッチホイール）に割り当てられており、MIDIキーボードのピッチホイールを動かすと、音程が滑らかに変化します。

音程の変化幅は半音±2に設定されており、SLIDE RANGEで自由に変更できます。

この機能はリアルタイム録音で使うのが一般的ですが、ピッチベンドのイベントグラフに直接書き込んで使用することも可能です。

なお、PLAYSTYLEセクションにあるSLIDE NOISEを使うと、スライド時のノイズ量も調整できます。

VIBRATO

VIBRATOはビブラート奏法を再現する機能です。初期設定ではコントロールチェンジのCC 1に割り当てられており、ノートの音程を細かく揺らすことができます。

揺れの速度は初期状態で「4」に設定されており、VIBRATO RATEを使って自由に変更が可能です。

ビブラートを再現する場合は、CC 1のイベントグラフを表示し、下図のように値を入力します。

HAMMER ON / PULL OFF

HAMMER ON / PULL OFFは、ハンマリングやプリングを再現するための機能です。初期設定では、C0のキースイッチを押している間だけ、ハンマリングとプリングが有効になります。

たとえば、ハンマリングやプリングを使う場合は、下図のようにC0の位置にノートを打ち込み、奏法を再現する2つのノートを重ねます。

LEGATO SLIDE

LEGATO SLIDEはレガートスライドを再現する機能です。初期設定ではコントロールチェンジのCC 65に割り当てられており、ノートを繋げて入力すると、滑らかなスライドが再現されます。

スライドの速さはスライド先（ターゲットノート）のベロシティに応じて変化し、値が高いほど速くなります。

レガートスライドを再現する場合は、下図のようにCC 65のイベントグラフを表示し、64以上の値を入力します。そのうえで、スライドさせたいノート同士を重ねて入力します。

MUTING

MUTINGは、ミュートのかかり具合を調整する機能です。初期設定ではコントロールチェンジのCC 9に割り当てられており、演奏に応じてその効き具合を変えられます。

この機能はPLAYSTYLEセクションのMUTINGツマミと連動しており、イベントグラフに描いた変化がツマミの動きにも反映されます。

ミュートのかかり具合を調整したい場合は、下図のようにCC 9のイベントグラフを表示し、ラインを描いて変化をつけます。

GHOST MODE

GHOST MODEは、ゴーストノートを再現するための機能です。初期設定では、A#-1のキースイッチを押している間だけ、ゴーストノートが有効になります。

たとえば、ゴーストノートを使う場合は、下図のようにA#-1の位置にノートを打ち込みます。

HARMONICS

HARMONICSは、ハーモニクス奏法を再現するための機能です。初期設定では、F0のキースイッチを押している間だけ、ハーモニクス奏法が有効になります。

たとえば、ハンマリング奏法を使う場合は、下図のようにF0の位置にノートを打ち込みます。

LET RING

LET RINGは、弦の余韻を残すかどうかを切り替える機能です。初期設定ではコントロールチェンジのCC 64に割り当てられており、演奏の響きをコントロールできます。

この機能はPLAYSTYLEセクションのLET RINGスイッチと連動しており、イベントグラフに描いた変化がスイッチの状況にも反映されます。

弦の余韻を残したい場合は、下図のようにCC 64のイベントグラフを表示し、64の数値を入力してLET RINGスイッチをオンにします。

INDEX STROKE【FINGER専用】

INDEX STROKEは、人差し指を使って演奏させる機能です。プレイスタイルがFINGERのときにのみ使用でき、初期設定では、C#-1のキースイッチを押している間だけ有効になります。

たとえば、人差し指で演奏させたい場合は、下図のようにC#-1の位置にノートを打ち込みます。

MIDDLE STROKE【FINGER専用】

MIDDLE STROKEは、中指を使って演奏させる機能です。プレイスタイルがFINGERのときにのみ使用でき、初期設定では、D♯-1のキースイッチを押している間だけ有効になります。

たとえば、中指で演奏させたい場合は、下図のようにD#-1の位置にノートを打ち込みます。

DOWN STROKE【PICK専用】

DOWN STROKEは、ダウンピッキングで演奏させる機能です。プレイスタイルがPICKのときにのみ使用でき、初期設定では、C#-1のキースイッチを押している間だけ有効になります。

たとえば、ダウンピッキングで演奏させたい場合は、下図のようにC#-1の位置にノートを打ち込みます。

UP STROKE【PICK専用】

UP STROKEは、アップピッキングで演奏させる機能です。プレイスタイルがPICKのときにのみ使用でき、初期設定では、D#-1のキースイッチを押している間だけ有効になります。

たとえば、アップピッキングで演奏させたい場合は、下図のようにD#-1の位置にノートを打ち込みます。

FORCE SLAP【SLAP専用】

FORCE SLAPは、スラップで演奏させる機能です。プレイスタイルがSLAPのときにのみ使用でき、初期設定では、C#-1のキースイッチを押している間だけ有効になります。

たとえば、スラップで演奏させたい場合は、下図のようにC#-1の位置にノートを打ち込みます。

FORCE PULL【SLAP専用】

FORCE PULLは、プルで演奏させる機能です。プレイスタイルがSLAPのときにのみ使用でき、初期設定では、D#-1のキースイッチを押している間だけ有効になります。

たとえば、プルで演奏させたい場合は、下図のようにD#-1の位置にノートを打ち込みます。

LEFT HAND POS

LEFT HAND POSは左手ポジションを指定する機能です。初期設定ではコントロールチェンジのCC 4に割り当てられており、値を変えることで使用される弦やフレットが切り替わります。

たとえば、CC 4に0～5の値を入力すると（使用フレット：1～4）、6～10を入力した場合は（使用フレット：2～5）が優先されます。

なお、同様の操作はキースイッチ（F5～E7）でも行うことができます。

左手ポジションを指定する場合は、下図のようにCC 4のイベントグラフを表示し、数値を入力してポジションを指定します。

FORCE C STRING

FORCE C STRINGは、6弦ベースの最も高い弦（C弦）での演奏を優先させる機能です。6弦ベースでのみ使用でき、対象の音がC弦の音域内にある場合に限り有効になります。

初期設定では、C-1のキースイッチを押している間だけこの機能が動作し、演奏には下図の弦（C弦）が使用されます。

C弦を優先して使いたい場合は、下図のようにC-1の位置にノートを打ち込みます。

FORCE G STRING

FORCE G STRINGは、4弦ベースの最も高い弦（G弦）での演奏を優先させる機能です。すべてのベースで使用でき、対象の音がG弦の音域内にある場合に限り有効になります。

初期設定では、G0のキースイッチを押している間だけこの機能が動作し、演奏には下図の弦（G弦）が使用されます。

G弦を優先して使いたい場合は、下図のようにG0の位置にノートを打ち込みます。

FORCE D STRING

FORCE D STRINGは、4弦ベースの上から2本目の弦（D弦）での演奏を優先させる機能です。すべてのベースで使用でき、対象の音がD弦の音域内にある場合に限り有効になります。

初期設定では、D0のキースイッチを押している間だけこの機能が動作し、演奏には下図の弦（D弦）が使用されます。

D弦を優先して使いたい場合は、下図のようにD0の位置にノートを打ち込みます。

FORCE A STRING

FORCE A STRINGは、4弦ベースの上から3本目の弦（A弦）での演奏を優先させる機能です。すべてのベースで使用でき、対象の音がA弦の音域内にある場合に限り有効になります。

初期設定では、A-1のキースイッチを押している間だけこの機能が動作し、演奏には下図の弦（A弦）が使用されます。

A弦を優先して使いたい場合は、下図のようにA-1の位置にノートを打ち込みます。

FORCE E STRING

FORCE E STRINGは、4弦ベースの最も低い弦（E弦）での演奏を優先させる機能です。すべてのベースで使用でき、対象の音がE弦の音域内にある場合に限り有効になります。

初期設定では、E0のキースイッチを押している間だけこの機能が動作し、演奏には下図の弦（E弦）が使用されます。

E弦を優先して使いたい場合は、下図のようにE0の位置にノートを打ち込みます。

FORCE B STRING

FORCE B STRINGは、5弦・6弦ベースの最も低い弦（B弦）での演奏を優先させる機能です。5弦・6弦ベースでのみ使用でき、対象の音がB弦の音域内にある場合に限り有効になります。

初期設定では、B-1のキースイッチを押している間だけこの機能が動作し、演奏には下図の弦（B弦）が使用されます。

B弦を優先して使いたい場合は、下図のようにB-1の位置にノートを打ち込みます。

PLUCK POSITION

PLUCK POSITIONは、弦をどの位置で弾くかを指定する機能です。初期設定ではコントロールチェンジのCC 3に割り当てられており、値を変えることで弾く位置を変更できます。

この機能はベース上に表示される三角アイコンと連動しており、イベントグラフに描いた変化がアイコンの位置にも反映されます。

弦の弾く位置を変更したい場合は、下図のようにCC 3のイベントグラフを表示し、数値を入力して位置を変化させます。

CHORD MODE

CHORD MODEは、コードを自然な指使いで鳴らす機能です。初期設定ではコントロールチェンジのCC 2に割り当てられており、オンにすると押さえる位置が自動的に調整されます。

オフのままコードを弾くと、1本の弦を2ヵ所で同時に押さえてしまうことがあります。コードを演奏する際は、CHORD MODEをオンにしておきましょう。

自然な指使いで演奏させたい場合は、下図のようにCC 2のイベントグラフを表示し、64以上の数値を入力してCHORD MODEをオンにします。

STOP ON DETACH

STOP ON DETACHは、ノートオフ時に弦を手で止める音（ストップハンドサウンド）を追加する機能です。初期設定では、G♯0のキースイッチを押している間だけ有効になります。

たとえば、ノートを離すときにストップハンドサウンドを加えたい場合は、下図のようにG♯0の位置にノートを打ち込みます。

DB SLAP NOISE【アップライトベース専用】

DB SLAP NOISEはネックを叩いた際に生じるノイズを再現する機能です。初期設定ではC#1のキースイッチを押している間のみ有効で、アップライトベース使用時に限り動作します。

たとえば、スラップノイズを加えたい場合は、下図のようにC#1の位置にノートを打ち込みます。

DB STOP STRING【アップライトベース専用】

DB STOP STRINGは弦を止める動作を再現する機能です。初期設定ではD#1のキースイッチを押している間のみ有効で、アップライトベース使用時に限り動作します。

たとえば、弦を止める動作音を加えたい場合は、下図のようにD#1の位置にノートを打ち込みます。

MASTER VOLUME

MASTER VOLUMEはベース全体の音量を調整する機能です。初期設定ではオフになっており、使用するにはコントロールチェンジまたはアフタータッチへの割り当てが必要になります。

マスターボリュームを使用する場合は、下図のようにCC 7のイベントグラフを表示して、数値を入力します。

まとめ

今回はCONTROLセクションの構成や表示内容の見方に加えて、各機能が再現する演奏表現についても詳しく説明しました。

CONTROLセクションを活用すれば、演奏中に細かな表現も自由にコントロールできます。気になる機能があれば、実際に試してその効果を確かめてみましょう。

MODO BASS 2の使い方講座では、各セクションごとに機能を解説しています。他のセクションの機能についても詳しく知りたい方は、関連記事もあわせてご覧ください。

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