ディレイ「Sonitus Delay」の使い方講座_BandLab

BandLabに標準搭載されているディレイ「Sonitus Delay」は、扱いやすいシンプルな設計ながら、多彩な音作りに対応できる機能を備えています。

そこでこの記事では、「Sonitus Delay」に含まれる各パラメーターの使い方と、それぞれが音に与える影響について詳しく説明します。

この記事を読めば、「Sonitus Delay」の使い方が分かるようになるので、ディレイを使った音作りに挑戦したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

ディレイ「Sonitus Delay」の使い方

ここでは、「Sonitus Delay」の各機能について説明します。

Delay time（ディレイタイム）

Delay timeは、原音が鳴ってから最初のディレイ音が返ってくるまでの時間を設定するパラメーターです。単位はms（ミリ秒）で、値が小さいほど早く、大きいほど遅く返ります。

たとえば、値を1000msに設定すると、原音の約1秒後にディレイ音が再生されます。

この機能は初期状態では無効になっています。使用するには「Tempo sync」をオフにする必要があります。

Delay timeによる音色の変化を聴いてみよう！

ディレイタイムを500msと250msに設定したピアノ音源です。最初の音源はディレイタイムが500msに設定されているため、ディレイ音は約0.5秒後に鳴ります。

一方、次の音源ではディレイタイムが250msに設定されているため、約0.25秒後に鳴ります。

Factor（ファクター）

Factorはディレイタイムを音符の長さで設定するパラメーターです。単位は拍で、値が小さいほど短い音符、値が大きいほど長い音符になります。

たとえば、値を「1」に設定すると、4分音符の長さでディレイ音が返ってきます。

＊ピアノロール上のディレイ音はイメージです。実際に打ち込まれるわけではありません。

Factorによる音色の変化を聴いてみよう！

ファクターを「1」と「1/2」に設定したピアノ音源です。最初の音源はファクターが「1」に設定されているため、ディレイ音は4分音符の長さで鳴ります。

一方、次の音源ではファクターが「1/2」に設定されているため、8分音符の長さで鳴ります。

Feedback（フィードバック）

Feedbackはディレイ音の繰り返し具合を設定するパラメーターです。値を上げると反復が多くなり、下げると少なくなります。

たとえば、Feedbackを70%に設定すると、ディレイ音が何度も繰り返され、徐々に小さくなりながら響き続けます。

Feedbackによる音色の変化を聴いてみよう！

フィードバックを0%と50%に設定したピアノ音源です。最初の音源はフィードバックが0%のため、ディレイ音は1回だけ鳴ってすぐに消えます。

一方、次の音源ではフィードバックが50%に設定されているため、ディレイ音が何度か繰り返され、余韻が長く感じられます。

Crossfeed（クロスフィード）

Crossfeedは片側のディレイ音を反対側にも送るパラメーターです。値を上げると反対側でのディレイ音が大きくなり、下げると小さくなります。

たとえば、左のCrossfeedを70%に設定すると、そのチャンネルのディレイ音が右側からも聞こえるようになります。

Crossfeedによる音色の変化を聴いてみよう！

クロスフィードを0%と100%に設定したピアノ音源です。最初の音源はクロスフィードが0%のため、左のディレイ音は左側からしか聞こえません。

一方、次の音源ではクロスフィードが100%に設定されているため、左のディレイ音が右側からも聞こえるようになります。

Mix（ミックス）

Mixは原音とディレイ音の割合を調整するパラメーターです。値を下げると原音の割合が大きくなり、上げるとディレイ音の割合が多くなります。

たとえば、Mixを30%に設定すると、全体のうち原音が約70%、ディレイ音が約30%となります。

Mixによる音色の変化を聴いてみよう！（インサート接続）

ミックスを10%と90%に設定したピアノ音源です。最初の音源はミックスが10%のため、原音の割合が多く、ディレイ音は控えめになっています。

一方、次の音源ではミックスが90%に設定されているため、原音は控えめになり、ディレイ音が目立ちます。

Output（アウトプット）

Outputは原音とディレイ音を含む最終的な出力レベルを調整するパラメーターです。値を上げると音量が大きくなり、下げると小さくなります。

Link（リンク）

Linkは左右のパラメーターを連動させる機能です。オンにすると、片方を動かした際にもう一方も同じように変化し、オフにすればそれぞれを個別に調整できます。

連動するパラメーターは、Delay time、Feedback、Crossfeed、Mixの4種類です。

Listen（リスン）

Listenは原音とディレイ音をどのように再生するかを選ぶ機能です。「Mix」では両方が再生され、「Delay」ではディレイ音のみが再生されます。

この機能を活用すれば、ディレイ音だけを聴きながら、その効果や響き方を細かく調整できます。

Tempo sync（テンポシンク）

Tempo syncはディレイタイムをテンポに合わせて設定する機能です。3つのモードが用意されており、用途に応じて切り替えられます。

それでは、それぞれのモードの違いを見ていきましょう。

Man（マニュアルモード）

マニュアルモードはBPMを手動で入力し、それに基づいてディレイタイムを設定します。DAWのテンポには連動しないため、任意のテンポでディレイ効果をコントロールできます。

BPMは下図の赤枠で囲まれた欄に手動で入力します。

Host（ホストモード）

HostモードはDAWのテンポに自動で同期し、ディレイタイムを設定します。楽曲のBPMに応じてディレイ効果が変化するため、テンポに合ったディレイが得られます。

たとえば、DAWのBMPが100に設定されている状態で再生すると、自動的にそのテンポに同期します。

Off（オフモード）

Offモードは楽曲のテンポに同期せず、ディレイタイムを自由に設定します。テンポに左右されず、好みの長さでディレイをかけたいときに役立ちます。

ディレイタイムは下図の赤枠で囲まれた欄に手動で入力します。

Diffusion（ディフュージョン）

Diffusionはディレイ音に広がりや柔らかさを加えるパラメーターです。音の輪郭をぼかすことで、残響感のある自然な広がりを生み出します。

Timeは拡散が始まるまでの遅れ時間を、Amountはその強さを設定します。

Diffusionによる音色の変化を聴いてみよう！

ディフュージョンを「無し」と「有り」に設定したピアノ音源です。最初の音源はアマウント値が0のため、ディフュージョンのかかっていないディレイサウンドになっています。

一方、次の音源ではアマウント値が100に設定されているため、ディレイ音が大きく拡散しています。

Low（ローカットフィルター）

Lowはディレイ音の低音域をカットするフィルターです。値を上げるほど、より広い範囲の低音が削られ、軽やかなディレイサウンドになります。

フィルターの効き具合はQで調整でき、値を上げるとフィルターの傾斜が急になり、下げると緩やかになります。

ローカット無しと有りの音色を聴いてみよう！

ローカットを「無し」と「有り」に設定したピアノ音源です。最初の音源は低音域をカットしていないため、ディレイサウンドに抜けと広がりがあります。

一方、次の音源では低音域をカットしているため、ディレイサウンドは軽やかに聞こえます。

High（ハイカットフィルター）

Highはディレイ音の高音域をカットするフィルターです。値を下げるほど、より広い範囲の高音が抑えられ、こもったようなディレイサウンドになります。

フィルターの効き具合はQで調整でき、値を上げるとフィルターの傾斜が急になり、下げると緩やかになります。

ハイカット無しと有りの音色を聴いてみよう！

ハイカットを「無し」と「有り」に設定したピアノ音源です。最初の音源は高音域をカットしていないため、ディレイサウンドに抜けと広がりがあります。

一方、次の音源では高音域をカットしているため、ディレイサウンドはこもって聞こえます。

まとめ

今回はBandLabに標準搭載されているディレイ「Sonitus Delay」に含まれる各パラメーターの使い方と、それぞれが音に与える影響について詳しく説明しました。

「Sonitus Delay」は直感的な操作性と多彩な機能を備えたディレイエフェクトです。この機会に使い方を覚えて、ディレイサウンドを自分の楽曲に取り入れてみましょう。

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