【DTM】Dominoで学ぶ! ベース 打ち込み講座
Dominoユーザーの皆さま、ベースの打ち込み方でお困りではありませんか?
ベースにはハンマリングやスライドなど様々な奏法があり、これらを打ち込みで再現する場合はピッチベンドやコントロールチェンジを上手く活用しなければなりません。
そこでこの記事では、Dominoのベース音源を使用して、奏法別にベースを打ち込むコツやポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、誰でも簡単にベースが打ち込めるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
ベース打ち込みの基礎知識
ベースの打ち込みを始める前に、ベースの基礎知識を身につけておきましょう。ベースの知識を得ることで、よりリアルなベースラインが作れるようになります。
身につけておきたいベースの基礎知識は以下の3つです。
1.ベースの音域
2.ピッチベンド
3.エクスプレッション(CC#11)
1.ベースの音域
ベースには4本の弦が張られており、各弦の音域は以下のようになっています。
ベースは4弦の音がもっとも低く、右へ行くほど音程が高くなります。
ベースには同じ音が出せる場所が複数あります。ベースを打ち込むときは「何弦の音か?」を意識して入力するようにしましょう。
●2つの音名表記「国際式とヤマハ式」
音名の表記方法には国際式とヤマハ式があります。国際式は真ん中の「ド」が「C4」なのに対し、ヤマハ式は真ん中の「ド」が「C3」になっています。
音名の表記方法はDAWソフトによって異なるので、複数のDAWソフトを使う場合はMIDIの打ち込む位置に気を付けましょう。
2.ピッチベンド
ピッチベンドは音の高さを変化させるパラメーターです。ベースの打ち込みではハンマリングやプリングなどの奏法を再現するときに使用します。
ピッチベンド値の変化量は設定したベンドレンジによって変わります。今回使用するDominoでは「ベンドレンジ=12」がデフォルトで設定されています。
そのため、音程を全音上げる場合は「1365」、半音下げる場合は「-683」と設定します。
3.エクスプレッション(CC#11)
エクスプレッションは音量を変化させるパラメーターです。ベースの打ち込みでは音量が減衰するハンマリングやグリッサンドなどを再現するときに使用します。
エクスプレッションの初期値は「127」になっており、この値が小さくなるほど音量は下がります。
ベース打ち込みの準備
それでは、ベースを打ち込む準備を行ないましょう。
1.まずはベース音源を準備します。イベントリスト内にある「Piano 1」をクリックしてください。
2.「プログラムチェンジイベントのプロパティ」が表示されました。
3.ベース音源を設定します。「033-040 ベース」→「035 Picked Bass」を選択しましょう。
4.ベース音源が設定されました。
5.2つ目のイベントグラフペインを表示させます。メインツールバーにある「イベントグラフペイン2の表示切り替え」をクリックしましょう。
6.2つ目のイベントグラフペインが表示されました。
7.これでベースを打ち込む準備が整いました。
ベースを打ち込もう!
ここでは、ベースの打ち込み方を奏法別に解説します。
・ハンマリング
・プリング
・スライド
・グリッサンド
・ビブラート
ハンマリング
ハンマリングは弦を弾いた後、別の指で弦を叩くように音を出す奏法です。この奏法は低い音から高い音へ繋げるときによく使用します。
ハンマリングの打ち込み
ハンマリングはピッチベンドとエクスプレッションを使用して再現します。ピッチベンドでは音程を上げ、エクスプレッションではハンマリング時の音の減衰を表現します。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させるため、ピッチベンド値は「1365」に設定しています。エクスプレッション値は「100」に設定し、ハンマリング時の音の減衰を表現しました。
プリング
プリングは押さえている弦を引っかくように離して、音を出す奏法です。この奏法は高い音から低い音へ繋げるときによく使用します。
プリングの打ち込み
プリングはピッチベンドとエクスプレッションを使用して再現します。ピッチベンドでは音程を下げ、エクスプレッションではプリング時の音の減衰を表現します。
今回は「ラ」の音を「ソ」に変化させるため、ピッチベンド値は「-1365」に設定しています。エクスプレッション値は「100」に設定し、プリング時の音の減衰を表現しました。
スライド
スライドは弦の上を指で滑らせながら音程を変化させる奏法です。この奏法は半音単位で音程が変化するため、音をなめらかに繋ぐときによく使われます。
スライドの打ち込み
スライドはピッチベンドとエクスプレッションを使用して再現します。ピッチベンドでは音程を変化させ、エクスプレッションではスライド時の音の減衰を表現します。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させるため、ピッチベンドとエクスプレッションは以下のように設定しました。スライドは半音単位で音程が変化するので、経過音も忘れずに入れましょう。
スライドは経過音を入れるタイミングがとても重要です。経過音を入れるタイミングは音を聴きながら調整しましょう。
グリッサンド
グリッサンドは弦の上を指で滑らせながら音程を変化させる奏法です。スライドとよく似ていますが、こちらは到達地点が不明確で効果音としてよく使われます。
グリッサンドの打ち込み
グリッサンドはピッチベンドとエクスプレッションを使用して再現します。ピッチベンドでは音程を変化させ、エクスプレッションではグリッサンド時の音の減衰を表現します。
グリッサンドは半音単位で音程が変化するので、ピッチベンドは同じ間隔で半音ずつ下がるように設定しましょう。
●ピッチベンドやエクスプレッションをまとめて変更する
グリッサンドはピッチベンドとエクスプレッションを細かく設定する必要があります。手入力ではとても大変なので、以下の方法でまとめて変更すると良いでしょう。
1.まずはツールクオンタイズを「16分音符」に変更します。
2.ピッチベンドを変更したい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックしてください。
3.「選択範囲へ直線・曲線を入力」の画面が表示されました。
4.今回は1オクターブ下がるように設定したいので、E.Value値は「-8192」と入力し、Step値は「30」と入力してください。
5.選択した範囲のピッチベンドがまとめて変更されました。
6.まとめて変更すると数値がズレることがあります。数値がズレた場合は各自で修正しましょう。
エクスプレッションもピッチベンドと同じ間隔で設定し、グリッサンド時の音の減衰を表現します。
イベントリストで見るとこんな感じになります。ピッチベンドとエクスプレッションが同じタイミングで変わっているかよく確認しましょう。
最後にピッチベンドとエクスプレッションの値は元に戻しておきます。
ビブラート
ビブラートは弦を弾いた後、押さえている弦を上下に動かし、音を揺らす奏法です。
ビブラートの打ち込み
ビブラートはピッチベンドを使用して再現します。ベンド幅は「1」に変更し、ピッチベンド値「0」の位置から上方向に波を作ります。
この時、ピッチベンドの値は半音を超えないように設定しましょう。
●ピッチベンドの波はこうやって作ろう!
ピッチベンドの波は以下の方法で簡単に作ることができます。手入力ではとても大変なので、かならず覚えておきましょう。
1.まずはピッチベンドを変更したい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックします。
2.今回は半音上がるようにしたいので、E.Value値は「8191」と入力し、Step値は「1」と入力してください。
3.選択した範囲のピッチベンドがまとめて入力されました。
4.ピッチベンドを変更したい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックします。
5.今回は半音下がるようにしたいので、E.Value値は「0」と入力し、Step値は「1」と入力してください。
6.選択した範囲のピッチベンドがまとめて入力されました。
7.あとは同じ作業を繰り返して、ピッチベンドの波を完成させます。
最後にベンド幅を「12」に設定し、元の値に戻しておきしょう。
●ベンド幅を途中から変更する
ベンド幅を途中から変更する場合は、以下の方法を使いましょう。
1.まずはベンド幅を変更したい位置を選択します。
2.「挿入」メニューから「コントロールチェンジ」をクリックしましょう。
3.追加された「255 Rest(休符)」をクリックし、「コントロールチェンジイベントのプロパティ」を表示させます。
4.「151 ベンド幅」を選択し、Valueは「12」と入力します。
5.これでベンド幅が「12」に変更されました。
まとめ
今回はDominoのベース音源を使用して、奏法別にベースを打ち込むコツやポイントを詳しく解説しました。
ベースの打ち込みを覚えると、リアルなベースラインが作れるようになります。本章を読み終えたら、各自でいろんなベースラインを作ってみましょう。
Dominoの使い方講座では、ベース以外にも様々な楽器の打ち込み方を解説しています。他の楽器の打ち込み方にも興味があるかたは、以下の記事もあわせてご覧ください。