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今回は新しく購入したSynthesizer V Studio Proのレビュー記事です。この記事では、私がSynthesizer Vを購入した理由や実際に使ってみた感想などを書いてみました。
Synthesizer Vの購入を検討されているかたや歌声合成ソフト選びで迷われているかたの参考になると思うので、ぜひ最後までご覧ください。
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Synthesizer V Studio Proを購入した理由
Synthesizer Vを購入した理由は人間らしいリアルな声で歌を歌わせたかったからです。歌声合成ソフトではボーカロイドが人気ですが、私はボカロの機械的な声が苦手でした・・(^^;)
Synthesizer Vは「人間が歌ってる?」と勘違いするほどリアルな声で歌ってくれるので、私にピッタリな歌声合成ソフトだと思いました。
こちらの動画はSynthesizer Vの公式デモ曲です。このデモ曲を聴いた時は、あまりのリアルさに衝撃を受けました。まるで人間が歌っているかのように聴こえます。
Synthesizer V Studio Proを手にした感想
Synthesizer V Studio Proの中身はこんな感じでした。Synthesizer Vのインストールディスクやインストールガイド、シリアルナンバーカードなどが付属されています。
Synthesizer Vの取扱説明書みたいなものは付いていないようです。
私はスターターパック版を購入したため、お好きな歌声データベースを1つダウンロードできるクーポンコードも付属されていました。
通常版とスターターパック版の違いは以下のとおりです。違いはクーポンコードの有無だけ。
クーポンコードは好きな歌声を1つだけ貰うことができます。「歌声はAI Maiしか使わない」という人以外は、スターターパック版がおすすめです。
Synthesizer V Studio Proを使ってみた
Synthesizer Vは操作画面が見やすいため、直感でもある程度は使えます。ただ、細かく調声する場合は各機能を一つずつ覚える必要がありそう。
試しに童謡「しゃぼん玉」を歌わせてみました。歌声はかなり人間に近いです。「AI SAKI ライト版」の時もリアルでビックリしたけど、「AI Mai」はそれ以上でした。
童謡「しゃぼん玉」を歌わせてみた(Mai AI)
Synthesizer V Mai AIを使用
ベタ打ちでこのクオリティ。こんなに歌声がリアルだと、音楽制作が楽しくなりそうです。やっぱりメロディはピアノ音よりも歌声のほうが曲作りのモチベーションが上がります。
あとSynthesizer V Studio ProはDAWソフト上で立ち上げることもできるので、かなり便利。
ただ、Synthesizer Vには気になる点が3つありました。
1.1ライセンス1台まで
Synthesizer Vは1ライセンス1台までなので、複数のパソコンにインストールして使うことはできません。複数のパソコンで使う場合は台数分のSynthesizer Vを用意する必要があります。
私はデスクトップとノートパソコンを使い分けているので、この点が少し不便に感じました。個人的には1ライセンス2台までOKにしてもらいたい・・(^^;)
2.男性ボーカルが少ない
Synthesizer Vは女性ボーカルのバリエーションは豊富ですが、男性ボーカルは少ないです。私はロックバンド系の楽曲が作りたいので、男性ボーカルの少なさにはちょっとガッカリしました。
今後は男性ボーカルにも力を入れて追加してもらいたい。個人的にはアイドル系よりもロックバンド系が好みなので、TOSHI(X JAPAN)やHyde(L’Arc〜en〜Ciel)みたいな歌声が欲しい。
3.取扱説明書が付いていない
Synthesizer Vには取扱説明書が付いていないため、使い方は各自で調べなければいけません。せっかく素晴らしいソフトなのに、この点がちょっと勿体ないな~と感じました。
幸いにもYouTubeなどで使い方を解説してくれる人がいるため、分からないことは自己解決させやすいですが、取扱説明書くらいは付けて欲しかったです・・(^^;)
気になる点を3つ挙げましたが、私はSynthesizer Vを購入して本当に良かったな~と思っています。やはり歌声がリアルなのは大きい。
まとめ
今回はSynthesizer V Studio Proのレビュー記事を書いてみました。Synthesizer Vは歌声がとてもリアルなので、DTMerならば一度試してもらいたい歌声合成ソフトです。
Synthesizer Vには無料版もあります。気になるかたは無料版から試してみても良いでしょう。
●この商品はこんな人にオススメです●
メロディに歌詞を付けて歌わせたい
ボーカルは人間らしさが大切だ
ボカロの声は苦手だ
今回はこちらの商品をレビューしました。
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Synthesizer V Studio Basicは無料で使える歌声合成ソフトです。無料版は機能制限やDAWソフト上で使えないといった欠点がありますが、メロディに歌詞を付けて歌わせることができます。
「メロディに歌声を付けたい」
「歌声合成ソフトを試してみたい」
というかたは、無料版のSynthesizer Vを試してみると良いでしょう。
今回はSynthesizer V Studio Basicと歌声データベース「Synthesizer V Saki AI ライト版」をダウンロードする方法を説明します。
この記事を読めば、Synthesizer Vの導入方法が分かるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
Synthesizer V Studio Basicをダウンロード&インストールする
まずは歌声合成ソフト「Synthesizer V Studio Basic」を導入します。
Synthesizer V Studio Basicをダウンロードする
1.Synthesizer Vのダウンロードサイトへ行きます。
2.プログラム使用許諾に目を通し、「プログラム使用許諾に同意する」にチェックを入れましょう。
3.「Synthesizer V studio Basic」をダウンロードします。
4.Synthesizer Vのダウンロードが完了しました。
Synthesizer V Studio Basicをインストールする
1.ダウンロードしたファイルを開きます。
2.お使いのOSを選びましょう。今回はWindows版で説明します。
3.「svstudio-basic-setup」をクリックし、Synthesizer Vのインストール準備を始めます。
4.言語が日本語になっていることを確認し、「OK」を押してください。
5.使用許諾契約書に目を通し、「同意する」にチェックを入れて、次へ進みましょう。
6.インストール先を指定します。インストール先はデフォルトのままで大丈夫です。
7.「デスクトップ ショートカットを作成する」にチェックを入れて、次へ進みましょう。
8.Synthesizer Vのインストールが完了しました。
9.これでSynthesizer Vが使えるようになりました。
歌声データベースをダウンロード&インストールする
次は歌声データベース(ライト版)を導入します。歌声データベースは数多く用意されており、好きな歌声をダウンロードすることができます。
*Standard版はボカロのような歌声、AI版は人間のような歌声です。
歌声データベースをダウンロードする
1.今回は「Synthesizer V Saki AI ライト版」をダウンロードします。Synthesizer Vのダウンロードサイトで、下記の歌声データベースを見つけましょう。
2.歌声データベースには利用規約が記載されています。利用規約はダウンロードする前にかならず読んでおきましょう。
3.「Synthesizer V Saki AI ライト版」をダウンロードします。
4.「Synthesizer V Saki AI ライト版」のダウンロードが完了しました。
歌声データベースをインストールする
1.ダウンロードしたファイルを開きます。
2.「saki-ai-lite-install」をクリックし、「Saki AI ライト版」のインストール準備を始めます。
3.利用規約に目を通し、次へ進みましょう。
4.インストール先を指定します。インストール先はデフォルトのままでOKです。
5.「Saki AI ライト版」のインストールが完了しました。
6.これでSynthesizer Vで「Saki AI ライト版」が使えるようになりました。
童謡「しゃぼん玉」を歌わせてみた
Synthesizer V Studio Basicを使って、童謡「しゃぼん玉」を歌わせてみました。どんな声で歌ってくれるか気になるかたは、ぜひ一度聴いてみてください。
童謡「しゃぼん玉」を歌わせてみた(Saki AI ライト版)
Synthesizer V Saki AI ライト版を使用
今回は「Saki AI ライト版」に童謡「しゃぼん玉」を歌ってもらいました。ライト版は有料版よりも音声品質が落ちるようですが、十分人間らしく歌ってくれています。
ちなみに、表現調整は一切しておらず、ベタ打ちでこのクオリティ。
まとめ
今回はSynthesizer V Studio Basicをダウンロードする方法を詳しく説明しました。無料版はDAWソフト上で使えないなどの欠点がありますが、歌声合成ソフトを試すには最適なソフトです。
まずは無料版を試してみて
「DAWソフト上でも使ってみたい」
「よりリアルな歌声で歌わせたい」
と思ったかたは「Synthesizer V Studio Pro(有料版)」を導入すると良いでしょう。
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Synthesizer V Studio Proは無料版にあった機能制限がすべて解除されており、DAWソフト上でもプラグインとして使用することができます。
Synthesizer V Studio Pro スターターパックはお好きな歌声データベースを1種類選んでダウンロードできるので、複数の歌声が欲しいかたにオススメです。
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BandLabにはあらかじめベース音源「SI-Bass Guitar」が付属されており、BandLabを導入するだけでベースの音を出すことができます。
しかし、SI-Bass Guitarの使い方が分からず、困っているというかたも多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では
「SI-Bass Guitarの使い方が分からん」
「どんな機能があるか知りたい」
というかたに向けて、SI-Bass Guitarの使い方を詳しく説明します。
本記事を読めば、ベース音源「SI-Bass Guitar」の使い方が分かるようになるはずなので、ぜひ最後までご覧ください。
ベース音源「SI-Bass Guitar」の全体画面
ベース音源「SI-Bass Guitar」は5つのビューで構成されています。各ビューは次のように配置されており、ベースの音作りが効率良く行なえるようになっています。
それでは、ベース音源「SI-Bass Guitar」を構成する5つのビューを1つずつ見ていきましょう。
プログラム&パターン集
プログラム&パターン集はベース音源やMIDIパターンを読み込むエリアです。「SI-Bass Guitar」には様々なベース音源やMIDIパターンが用意されており、音楽制作を手助けしてくれます。
それでは、ベース音源の設定方法とMIDIパターンの取り込み方を見ていきましょう。
ベース音源を設定する
1.ベース音源を設定する場合は、赤枠部分をクリックして、音源一覧を表示させます。
2.音源一覧が表示されたら、使用したいベース音源を選びましょう。今回は「Clean Finger.prog」を選びます。
3.ベース音源が設定されました。
4.「SI-Bass Guitar」には、他にも歪ませたベースやシンセベースなどの音色も収録されています。いろんなベースの音が収録されているので、各自でチェックしておきましょう。
MIDIパターンを取り込む
1.MIDIパターンを取り込む場合は、赤枠からジャンルをダブルクリックして、MIDIパターンを表示させます。
2.今回は「ROCK」を選択し、MIDIパターンは「ROCK-01」を選びましょう。
3.選択したMIDIパターンは「再生」を押して聴くことができます。「ループ」を押しておくと、ループ再生も可能です。
4.MIDIパターンをトラックにドラッグ&ドロップして取り込みます。
5.トラックにMIDIパターンが取り込まれました。
6.取り込んだMIDIパターンは編集可能です。気になる部分があれば、各自でMIDIを編集しましょう。
パターングリッド
パターングリッドはMIDIパターンを登録しておけるエリアです。気に入ったMIDIパターンがあれば登録して、いつでも使えるようにしておきましょう。
ただし、登録しておけるMIDIパターンは4つまでになっています。
ベース・コントロール
ベース・コントロールはベースの音を調整するエリアです。このエリアではピックアップを切り替えたり、モノとポリを変更したりすることができます。
それでは、各パラメーターを1つずつ見ていきましょう。
PICKUP SELECTOR(ピックアップセレクター)
ピックアップセレクターはピックアップを切り替えるスイッチです。SI-Bass Guitarでは本物のベースのように2つのピックアップを切り替えて使うことができます。
リアピックアップの音
ピックアップセレクターを下にすると、リアピックアップに切り替わります。リアピックアップはブリッジ寄りのピックアップで、高音域が強調された明るいサウンドになります。
フロントピックアップの音
ピックアップセレクターを上にすると、フロントピックアップに切り替わります。フロントピックアップはネック寄りのピックアップで、低音域が強調された暖かいサウンドになります。
MONO(モノ)/POLY(ポリ)
モノとポリを切り替えるスイッチ。モノは単音しか鳴らないモードで、ポリは複数の音を同時に鳴らせるモードです。
MONOモードではMIDIノートを重ねるだけでスライド奏法が再現できます。
MONOモードでMIDIノートを重ねた場合
MONOモードは単音しか鳴らないため、MIDIノートを重ねるだけでスライド奏法が再現できます。複数の音を同時に鳴らすことはできませんが、簡単にスライドを打ち込めます。
また、MONOモードではスライドの速さを調整するSLIDEツマミが使用できます。
POLYモードでMIDIノートを重ねた場合
POLYモードは複数の音が同時に鳴るため、MIDIノートを重ねてもスライドは再現できません。POLYモードでスライドを再現する場合はピッチベンドを使う必要があります。
SLIDE(スライド)
スライドはスライドの速さを調整するパラメーターです。このツマミは右へ回すほど、スライドの速さが遅くなります。SLIDEツマミはMONOモードのみで使用可能です。
スライド値を「0.0s」に設定した場合
スライド値を「0.0s」に設定すると、音から音へ飛ぶように変化します。ハンマリングやプリングなど、音から音へ飛ぶような奏法を再現する時に使えます。
スライド値を「3.0s」に設定した場合
スライド値を「3.0s」に設定すると、音から音へ滑らかに変化します。スライド奏法やグリッサンドなど、音から音へ滑らかに変化する奏法を再現する時に使えます。
TUNE(チューン)
チューンはピッチを調整するパラメーターです。調整できる範囲は-6.0~6.0stで、初期値は「0」になっています。1.0stごとに半音動くので、最大で半音6個分上げたり下げたりできます。
チューンを「5.0st」に設定し、「ド」を打鍵した場合
チューンを「5.0st」に設定すると、半音5個分上がった音が鳴ります。つまり、「ド」を打鍵した場合は半音5個上の「ファ」の音が鳴ります。
アンプ・コントロール
アンプ・コントロールはベースの音を調整するエリアです。このエリアではイコライザーで音質を変化させたり、ボリュームを調整したりすることができます。
それでは、各パラメーターを1つずつ見ていきましょう。
VOLUME(ボリューム)
ボリュームは音量を調整するパラメーターです。このツマミを左に回すほど音量は小さくなり、右に回すほど音量は大きくなります。
PAN(パン)
パンは音の定位を調整するパラメーターです。このツマミを左に回すと音の定位は左へ移動し、右に回すと音の定位は右へ移動します。
PANツマミを真ん中にした音
パンを「0%」に設定すると、音は真ん中から聞こえます。スピーカーならば両方のスピーカー、ヘッドフォンならば両耳から同じバランスで音が再生されます。
PANツマミを右に回した音
パンを「100%」に設定すると、音は右から聞こえます。スピーカーならば右スピーカー、ヘッドフォンならば右耳から音が鳴り、左スピーカーや左耳から音は鳴りません。
BASS(ベース)
ベースは低音域を調整するパラメーターです。BASSツマミを上げると音は太くなり、迫力のあるサウンドになります。逆に下げると音は細くなり、軽いサウンドになります。
ベースを「-18.0dB」に設定した音
BASSツマミを左に回して低音をカットした音です。低音が抑えられるため、軽いサウンドになります。BASSツマミは下げすぎると迫力のないサウンドになるので注意しましょう。
ベースを「8.0dB」に設定した音
BASSツマミを右に回して低音をブーストさせた音です。低音が強調されるため、重みのあるサウンドになります。BASSツマミは上げすぎるとボワボワした音になるので注意しましょう。
MID(ミドル)
ミドルは中音域を調整するパラメーターです。MIDツマミを上げると音の輪郭がハッキリし、音抜けが良いサウンドになります。
逆に下げると音の主張は弱くなり、控えめなサウンドになります。
ミドルを「-12.0dB」に設定した音
MIDツマミを左に回して中音域をカットした音です。中音域が抑えられるため、主張が弱いサウンドになります。MIDツマミは下げすぎると音抜けが悪くなるので注意しましょう。
ミドルを「5.0dB」に設定した音
MIDツマミを右に回して中音域をブーストさせた音です。中音域が強調されるため、音抜けが良いサウンドになります。
MIDツマミは上げすぎると主張が強いサウンドになるので注意しましょう。
TREBLE(トレブル)
トレブルは高音域を調整するパラメーターです。TREBLEツマミを上げると、アタックが強調されて力強いサウンドになります。逆に下げるとアタックが弱いサウンドになります。
トレブルを「-12.0dB」に設定した音
TREBLEツマミを左に回して高音をカットした音です。高音が抑えられるため、アタックの弱いサウンドになります。TREBLEツマミは下げすぎると、こもった音になるので注意しましょう。
トレブルを「8.0dB」に設定した音
TREBLEツマミを右に回して高音をブーストさせた音です。高音が強調されるため、アタックの強いサウンドになります。
TREBLEツマミは上げすぎるとキンキンとした耳障りな音になるので注意しましょう。
DRIVE(ドライブ)
ドライブは歪みを調整するパラメーターです。このツマミを左に回すほど歪みは弱くなり、右に回すほど歪みは強くなります。
ドライブを「0%」に設定した音
DRIVEツマミを左一杯に回して歪ませなかった音色です。ドライブが「0%」なので、クリーンなベースサウンドになります。
ドライブを「45%」に設定した音
DRIVEツマミを右に回して歪ませた音色です。ドライブが「45%」なので、オーバードライブがかかったベースサウンドになります。
COMPRESS(コンプレッション)
コンプレッションは音を圧縮して、音の粒を整えるパラメーターです。このツマミを右に回すと、圧縮レベルが上がり、音同士の音量差が小さくなります。
コンプレッションを「0%」に設定した音
COMPRESSツマミを左一杯に回してコンプレッションをかけなかった音色です。未圧縮の音なので、音同士の音量差が大きく、音の粒が揃っていないサウンドになります。
コンプレッションを「30%」に設定した音
COMPRESSツマミを右に回してコンプレッションをかけた音色です。音を圧縮しているので、音同士の音量差が小さくなり、音の粒が揃ったサウンドになります。
フレットボード
フレットボードは鳴っている音の高さを表示してくれるエリアです。MIDIキーボードで打鍵した音や打ち込んだMIDIノートを音程で表示してくれます。
指板をクリックすると音も鳴るので、音色のチェックにも使用できます。
まとめ
今回はBandLab付属のベース音源「SI-Bass Guitar」の使い方を詳しく説明しました。SI-Bass Guitarはシンプルで使いやすいベース音源なので、この機会に使えるようにしましょう。
当サイトでは、BandLabの使い方記事を数多く公開しています。BandLabの使い方でお困りのかたは以下の記事も参考にしてみてください。
【BandLabの使い方講座】
マルチ音源「Cakewalk TTS-1」の使い方講座
ドラム音源「SI-Drum Kit」の使い方講座
ストリングス音源「SI-Strings Section」の使い方講座
エレピ音源「SI-Electric Piano」の使い方講座
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Dominoでリアルなギターパートを作るためにはギターの奏法を知り、ピッチベンドやエクスプレッションの使い方もしっかりとマスターしておかなければなりません。
そこでこの記事では、ピッチベンドやエクスプレッションの使い方を解説しつつ、各奏法ごとにギターを打ち込むためのコツやポイントを詳しく説明します。
この記事を読めば、人間味のあるリアルなギターパートが作れるようになるはずなので、ギターの打ち込み方でお困りの人は、ぜひ最後までご覧ください。
ギター打ち込みの基礎知識
まずはギターを打ち込むために必要な基礎知識を身につけましょう。ギターについて理解を深めることで、より人間味のあるギターが打ち込めるようになります。
身につけたいギター打ち込みの基礎知識は以下の3つです。
1.ギターの音域
2.ギターのボイシング
3.ピッチベンドとエクスプレッション(CC#11)
1.ギターの音域
ギターには6本の弦が張られており、各弦の音域は次のとおりになっています。
ギターは6弦の音が一番低く、各弦の音程は右へ行くほど高くなります。
ギターには全く同じ音が出せる場所が複数ヵ所存在します。ギターを打ち込む際は、どの弦の何フレットかを確認しながら入力するようにしましょう。
●音名表記には国際式とヤマハ式がある!
音楽制作ソフトには国際式を採用しているものとヤマハ式を採用しているものがあります。2つの違いは次のとおりで、MIDIノートの打ち込む位置が1オクターブ変わります。
そのため、複数の音楽制作ソフトを使用される方は、MIDIノートの打ち込む位置に注意しましょう。
2.ギターのボイシング
リアルなギターを打ち込むためには、ギター特有のボイシングを理解しておく必要があります。ギターは片手でコードを押さえる楽器なので、ピアノと同じように弾くことは出来ません。
たとえば、Cadd9のコードを演奏する時、ピアノでは簡単に押さえることができますが、ギターでは指が届かずに押さえることはできません。
ギターを打ち込む際は、指で押さえられるかどうかを確認しながら入力するようにしましょう。
3.ピッチベンドとエクスプレッション(CC#11)
人間味のあるリアルなギターパートを作るためには、ピッチベンドとエクスプレッションの使い方もしっかりと覚えておく必要があります。
・ピッチベンド
・エクスプレッション(CC#11)
ピッチベンド
ピッチベンドは音程をコントロールするパラメーターです。ギターの打ち込みでは、ハンマリングやスライドなど、音程が変化する奏法を再現する時に使用します。
ピッチベンドはベンドレンジの設定によって、値の変化量が大きく変わります。今回使用するDominoでは「ベンドレンジ=12」がデフォルトで設定されています。
そのため、音程を全音上げる場合は「1365」、半音下げる場合は「-683」と設定します。
エクスプレッション(CC#11)
エクスプレッションは音量をコントロールするパラメーターです。ギターの打ち込みでは、グリッサンドやブリッジミュートなど、音量が変化する奏法を再現する時に使用します。
エクスプレッションの設定値は「0~127」で、この値を小さくするほど音量が下がります。
ギター音源を準備する
それでは、ギターを打ち込むための準備を行いましょう。今回はクリーンギターとディストーションギターの音源を1つずつ準備します。
クリーンギター音源を準備する
1.トラック1にクリーンギター音源を設定します。イベントリスト内にある「Piano 1」をクリックしてください。
2.「プログラムチェンジイベントのプロパティ」が表示されました。
3.クリーンギター音源を設定します。「025-032 ギター」→「028 Clean Gt」を選んでください。
4.トラック1にクリーンギター音源が設定されました。
ディストーションギター音源を準備する
1.トラック2にディストーションギター音源を設定します。イベントリスト内にある「Piano 1」をクリックしてください。
2.「プログラムチェンジイベントのプロパティ」が表示されました。
3.ディストーションギター音源を設定します。「025-032 ギター」→「031 Dist Gt」を選びましょう。
4.トラック2にディストーションギター音源が設定されました。
ギターの打ち込み方
それでは、各奏法ごとにギターの打ち込み方を説明します。
コードストローク
コードストロークは指でコードを押さえて、複数の弦を同時に鳴らすテクニックです。この奏法は腕を振りながら、ダウンピッキングとアップピッキングを交互に使って演奏します。
コードストロークの打ち込み方【Clean Gt】
コードストロークはMIDIノートの発音タイミングをズラして打ち込みます。これにより、コード音が順番に鳴っているように聴こえるので、ギター特有の雰囲気が表現できます。
今回はダウンピッキングとアップピッキングを交互に使って演奏しているので、ダウン&アップピッキングの再現も必要になります。
ダウンピッキングは低い音から順に音が鳴るので、以下のように打ち込みます。
●複数のMIDIノートをまとめてズラす方法
複数のMIDIノートをまとめてズラす時は、ストローク機能を活用しましょう。この機能を使えば、複数のMIDIノートをまとめてズラせるので、ギターらしいコードストロークが簡単に作れます。
1.まずは「選択」ツールに切り替えて、まとめてズラしたいMIDIノートを囲みます。
2.選択したMIDIノートを右クリックし、「ストローク」を選んでください。
3.今回はダウンストロークなので、ストローク方向は「低音から高音へ」を選択。固定値は「20」と入力し、「消音位置を固定する」にチェックを入れます。
4.選択したMIDIノートの発音タイミングがまとめてズレました。
アップピッキングは高い音から順に音が鳴るので、以下のように打ち込みましょう。
コードストロークはコードチェンジのタイミングで音が一時的に途切れます。コードが切り替わる場面では少しの間を作って、ギターらしさを演出しましょう。
●コードの変わり目で少し間を開ける方法
コードの変わり目で少し間を開ける場合は、GateクオンタイズをOFFにしてMIDIノートの長さを調整します。
1.まずは「選択」ツールに切り替え、間を開けたいMIDIノートを囲みます。
2.GateクオンタイズをOFF状態にし、MIDIノートの長さを調整しましょう。
3.コードの変わり目で少し間が開きました。
4.MIDIノートの長さを調整したら、GateクオンタイズはON状態に戻しておきましょう。
アルペジオ
アルペジオはコードを分散させて弾くテクニックです。
アルペジオの打ち込み方【Clean Gt】
アルペジオは同じ弦を弾くorコードが切り替わるまでMIDIノートを引き伸ばして打ち込みます。これにより、音が重なり合い、美しいアルペジオが再現できます。
ベロシティはコードの最高音をもっとも強く設定し、ルート音を次に強く設定します。その他の音は適度にバラつきを持たせ、均一にならないように設定してください。
アルペジオはコードチェンジのタイミングで音が一時的に途切れます。コードが切り替わる場面では少しの間を作って、ギターらしさを演出しましょう。
カッティング
カッティングはストロークとブラッシングを組み合わせて、歯切れのよいリズムを刻むテクニックです。
カッティングの打ち込み方【Clean Gt】
カッティングはブラッシング部分のMIDIノートを短くして打ち込みます。MIDIノートの長さはデュレーション値が「30」ぐらいになるように設定し、ブラッシングらしさを再現します。
ベロシティはストローク部分よりもやや低い値に設定し、強弱を付けます。今回はストローク部分のベロシティ値を「100」、ブラッシング部分のベロシティ値を「70」に設定しました。
カッティングはピッキングの再現も重要です。今回はダウン&アップを交互に繰り返して演奏しているので、これらのピッキングもしっかりと再現する必要があります。
ダウンピッキングの場合は低い音から順に音が鳴るので、以下のように入力します。
アップピッキングの場合は高い音から順に音が鳴るので、以下のように入力します。
●カッティングを入力してみよう!
カッティングはストローク機能と一括変更を活用して入力しましょう。
1.まずはコードストロークを打ち込みます。以下のようにMIDIノートを入力してください。
2.打ち込んだMIDIノートを選択して右クリックし、「ストローク」を選びます。
3.今回はダウン&アップを交互に使って演奏するので、ストローク方向は「↑↓↑↓」を選択。固定値は「20」と入力し、「消音位置を固定する」にチェックを入れましょう。
4.選択したMIDIノートの発音タイミングがズレて、コードストロークが完成しました。
5.次はカッティングのブラッシング部分を作ります。ブラッシングにしたいMIDIノートを選択して右クリックし、「一括変更」を選んでください。
6.一括変更画面が表示されたら、Gate値「30」と入力しましょう。
7.選択したMIDIノートの長さが短くなり、ブラッシングになりました。
8.残りのブラッシング部分も同じやり方で変更し、カッティングを完成させます。
ハンマリング
ハンマリングは弦を弾いた後、別の指で弦を叩きつけて音を出すテクニックです。このテクニックは低い音から高い音へ繋ぐ時によく使われます。
ハンマリングの打ち込み方
ハンマリングはピッチベンドとエクスプレッションを活用して打ち込みます。音程はピッチベンドで変化させ、ハンマリング時の音の減衰はエクスプレッションで制御します。
今回は「ソ」から「ラ」へ繋いでいるので、ピッチベンドの値は「1365」に設定し、エクスプレッションの値は「100」に設定しています。
プリング
プリングは押さえている弦を引っかくように離して、音を出すテクニックです。この奏法は高い音から低い音へ繋ぐ時によく使われます。
プリングの打ち込み方
プリングはピッチベンドとエクスプレッションを活用して打ち込みます。音程はピッチベンドで変化させ、プリング時の音の減衰はエクスプレッションで制御します。
今回は「ラ」から「ソ」へ繋いでいるので、ピッチベンドの値は「-1365」に設定し、エクスプレッションの値は「100」に設定しています。
ビブラート
ビブラートは弦を弾いた後、押さえている弦を上下に動かして、音を揺らすテクニックです。
ビブラートの打ち込み方
ビブラートはピッチベンドを活用して打ち込みます。上の画像のようにピッチベンド値「0」の位置から上方向に波を描き、音程を揺らします。
この時、ピッチベンドの値は半音を超えないように設定しましょう。
●ビブラートの波を作ろう!
ピッチベンドの波は以下の方法で簡単に作ることができます。手入力ではとても大変なので、以下の入力方法を上手く活用しましょう。
1.まずはツールクオンタイズを「16分音符」に変更します。
2.ピッチベンドを変更したい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックしてください。
3.半音上がるように設定します。E.Value値は「683」、Step値は「15」と入力し、登録済みの式は「S字曲線」を選びましょう。
4.選択した範囲のピッチベンドが変更されました。
5.続けて、ピッチベンドを変更したい範囲を選択し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」を押しましょう。
6.次は半音下がるように設定します。E.Value値は「0」、Step値は「15」と入力し、登録済みの式は「S字曲線」を選んでください。
7.選択した範囲のピッチベンドが変更されました。
8.あとは同じ作業を繰り返していけば、ピッチベンドの波が完成します。
スライド
スライドは弦を弾いた後、弦の上を指で滑らせながら音程を変化させるテクニックです。この奏法は音程が半音ごとに変化するので、音をなめらかに繋ぐ時によく使われます。
スライドの打ち込み方【Clean Gt】
スライドはピッチベンドとエクスプレッションを活用して打ち込みます。音程はピッチベンドで変化させ、スライド時の音の減衰はエクスプレッションで制御します。
今回は「ソ」から「ラ」へ繋ぐため、ピッチベンドとエクスプレッションの値は次のように設定しています。スライドは音程が半音ずつ変化するので、経過音も忘れずに追加してください。
経過音は入れるタイミングがとても大切です。入れるタイミングは音を聴きながら微調整しましょう。
グリッサンド
グリッサンドは弦の上を指で滑らせながら音程を変化させるテクニックです。スライドとよく似ていますが、こちらは到達地点が不明確で効果音としてよく使われます。
グリッサンドの打ち込み方【Distortion Gt】
グリッサンドはピッチベンドとエクスプレッションを活用して打ち込みます。音程はピッチベンドで変化させ、グリッサンド時の音の減衰はエクスプレッションで制御します。
グリッサンドは半音単位で音程が変化するので、ピッチベンドは同じ間隔で半音ずつ下がるように設定しましょう。
●ピッチベンドをまとめて変更する方法
ピッチベントは以下の方法でまとめて変更できます。グリッサンドのピッチベンドやエクスプレッションは入力がとても大変なので、まとめ変更を上手く活用しましょう。
1.まずはツールクオンタイズを「16分音符」に変更します。
2.ピッチベンドを変更したい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックしてください。
3.今回は1オクターブ下がるように設定したいので、E.Value値は「-8192」と入力し、Step値は「30」と入力します。
4.選択した範囲のピッチベンドがまとめて変更されました。
5.まとめて変更すると数値がズレることがあります。数値がズレた場合は各自で修正しましょう。
エクスプレッションも以下のようにピッチベンドと同じ間隔で設定していき、グリッサンド時の音の減衰を再現します。
イベントリストで見るとこんな感じになります。ピッチベンドとエクスプレッションが同じタイミングで設定させていることを確認しましょう。
最後にピッチベンドとエクスプレッションの値は元の位置に戻してください。
ブリッジミュート
ブリッジミュートは手のひらの側面を弦に軽く触れさせながら弾くテクニックです。このテクニックはディストーションをかけたギターでよく演奏されます。
ブリッジミュートの打ち込み方【Distortion Gt】
ブリッジミュートはエクスプレッションを使って打ち込みます。エクスプレッションでブリッジミュート時に発生する音の減衰を再現し、ブリッジミュートらしさを表現します。
エクスプレッションはMIDIノートの20%あたりの位置から下げ始め、半分程度まで減衰させます。今回はエクスプレッション値を「127」から「60」まで減衰させています。
●選択範囲入力を上手く活用しよう!
ブリッジミュートは選択範囲入力を上手く活用して打ち込みましょう。
1.まずはツールクオンタイズを「32分音符」に変更します。
2.エクスプレッションを変更したい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックしてください。
3.今回はエクスプレッション値が「60」まで下がるように設定したいので、E.Valueは「60」と入力し、Stepは「1」と入力します。
4.選択した範囲のエクスプレッションがまとめて変更されました。
5.最後に音が途切れたタイミングで、エクスプレッションの値は元の位置に戻しましょう。
ブリッジミュートはピッキングの再現もしっかりと行いましょう。今回はすべてダウンピッキングで演奏しているので、ダウンピッキングを打ち込みで再現します。
普通に演奏する部分は以下のように打ち込みます。パワーコードは2本の弦しか弾かないので、打ち込む位置は揃えて構いません。最初に弾く弦のベロシティ値だけ少し高くしておきましょう。
ブリッジミュート部分も打ち込む位置は揃えて大丈夫です。ただし、ベロシティ値は普通に演奏する部分よりも少し低めに設定し、強弱を付けます。
チョーキング
チョーキングは押さえている弦を指で押し上げて音程を上げるテクニックです。チョーキングで音程を上げることをチョークアップ、音程を戻すことをチョークダウンと呼びます。
チョーキングの打ち込み方【Clean Gt】
チョーキングはピッチベンドを活用して打ち込みます。チョークアップ時は音程が上がるように入力し、チョークダウン時は音程が元の高さに戻るように入力します。
今回は「ソ」から「ラ」へ変化させているので、ピッチベンドは以下のように設定します。
●チョーキングを再現してみよう!
チョーキングは選択範囲入力を上手く活用して打ち込みましょう。
1.まずはツールクオンタイズを「16分音符」に変更します。
2.ピッチベンドを変更したい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックしてください。
3.チョークアップを設定します。E.Valueは「1365」と入力し、Stepは「1」と入力しましょう。
4.選択した範囲のピッチベンドが変更されました。
5.ピッチベンドを変更したい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックしてください。
6.チョークダウンを設定します。E.Valueは「0」と入力し、Stepは「1」と入力しましょう。
7.これでチョーキングが完成しました。
まとめ
今回はピッチベンドやエクスプレッションの使い方を解説しつつ、各奏法ごとにギターを打ち込むためのコツやポイントを詳しく説明しました。
ギターの打ち込みを覚えると、ギターが弾けなくてもリアルなギターパートが作れるようになります。本記事を読み終えたら、各自でギターパート作りに挑戦してみましょう。
Dominoの使い方講座では、ギター以外にも様々な楽器の打ち込み方法を説明しています。別の楽器の打ち込み方にも興味があるかたは、以下の記事もあわせてご覧ください。
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ベースにはハンマリングやスライドなど多彩な奏法があり、これらを打ち込みで再現するにはピッチベンドやエクスプレッションの使い方をしっかりと理解しておかなければなりません。
この記事では、Dominoのベース音源を使用して、各奏法ごとにベースを打ち込むためのコツやポイントについて詳しく解説します。
この記事を読むと、ベースの打ち込み方が分かるようになるはずので、ベースの打ち込み方を覚えたい人は、ぜひ最後までご覧ください。
ベース打ち込みの基礎知識
まずはリアルなベースを打ち込むために必要な基礎知識を身につけましょう。身につけておきたい基礎知識は3つあります。
1.ベースの音域
2.ピッチベンド
3.エクスプレッション(CC#11)
1.ベースの音域
一般的なベースは4本の弦で構成されており、各弦の音域は次のようになっています。
ベースは4弦の音がもっとも低く、各弦の音域は右へ行くほど高くなります。
ベースには異なる弦で同じ音が出せる場所が複数あります。ベースを打ち込む際は、どの弦の何フレットかを意識しながら入力するようにしましょう。
●音名表記「国際式とヤマハ式」
音名の表記方法には国際式とヤマハ式があります。国際式はDominoやBandLabで採用しており、ヤマハ式はCubaseやLogic Proなどで採用しています。
国際式を採用するDominoは、ヤマハ式を採用する音楽制作ソフトよりもMIDIを打ち込む位置が1オクターブ高くなります。複数の音楽制作ソフトを併用される方は、MIDIの打ち込む位置に気を付けましょう。
2.ピッチベンド
ピッチベンドは音程を制御するためのパラメーターです。ベースの打ち込みでは、音程が変化するハンマリングやプリングなどの奏法を再現する際に活用します。
ピッチベンドの変化量はベンドレンジの設定によって大きく変化します。Dominoの場合は「ベンドレンジ=12」が初期値として設定されています。
そのため、音程を全音上げたい時は「1365」、音程を半音下げたい時は「-683」と設定します。
3.エクスプレッション(CC#11)
エクスプレッションは音量を制御するためのパラメーターです。ベースの打ち込みでは、音量が減衰するグリッサンドやハンマリングなどの奏法を再現する際に活用します。
エクスプレッションの値は「0~127」まで設定可能になっており、この値が小さくなるほど音量は下がります。
ベース打ち込みの準備
それでは、ベースを打ち込むための準備を行いましょう。
1.まずはベース音源を設定します。左側のイベントリストにある「Piano 1」を選択してください。
2.「プログラムチェンジイベントのプロパティ」という画面が表示されました。
3.今回はベース音源を使うので、「033-040 ベース」→「035 Picked Bass」を選びましょう。
4.ベース音源「Picked Bass」が設定されました。
5.次に2つ目のイベントグラフペインを表示させます。メインツールバーにある「イベントグラフペイン2の表示切り替え」をクリックしてください。
6.2つ目のイベントグラフペインが表示されました。
7.これでベースを打ち込むための準備は完了です。
ベースの打ち込み方
それでは、奏法ごとにベースの打ち込み方を解説します。
ハンマリング
ハンマリングはピッキングした後、別の指で弦を叩いて音を発生させる奏法です。この奏法は低い音から高い音へ繋げたい時によく使用されます。
ハンマリングの打ち込み方
ハンマリングの打ち込みではピッチベンドとエクスプレッションを活用します。ピッチベンドは音程を変化させるために使用し、エクスプレッションは音量を減衰させるために使います。
今回は「ソ」の音を半音2個上の「ラ」に変化させるため、ピッチベンドは「1365」に設定。エクスプレッションは「100」に設定し、音量の減衰を表現しました。
プリング
プリングは押さえている弦を軽く引っかくように離して、音を発生させる奏法です。この奏法は高い音から低い音へ繋げたい時によく使用されます。
プリングの打ち込み方
プリングの打ち込みではピッチベンドとエクスプレッションを活用します。ピッチベンドは音程を変化させるために使用し、エクスプレッションは音量を減衰させるために使います。
今回は「ラ」の音を半音2個下の「ソ」に変化させるため、ピッチベンドは「-1365」に設定。エクスプレッションは「100」に設定し、音量の減衰を表現しました。
スライド
スライドはピッキングした後、そのまま弦の上を滑らせながら音程を変化させる奏法です。この奏法は音程が半音ずつ変化するので、音を滑らかに繋げたい時によく使用されます。
スライドの打ち込み方
スライドの打ち込みではピッチベンドとエクスプレッションを活用します。ピッチベンドは音程を変化させるために使用し、エクスプレッションは音量を減衰させるために使います。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させるため、ピッチベンドとエクスプレッションは以下のように設定しています。スライドは音程が半音ずつ変化するので、経過音も忘れずに入れてください。
経過音の最適な挿入タイミングはテンポによって異なります。経過音を入れる際は、実際に音を聴きながらタイミングを調整しましょう。
グリッサンド
グリッサンドは弦を弾いた後、そのまま弦の上を滑らせて音程を変化させる奏法です。この奏法はスライドに似ていますが、こちらは到達地点が不明確で効果音としてよく使用されます。
グリッサンドの打ち込み方
グリッサンドの打ち込みではピッチベンドとエクスプレッションを活用します。ピッチベンドは音程を変化させるために使用し、エクスプレッションは音量を減衰させるために使います。
グリッサンドは音程が半音ずつ変化していくので、ピッチベンドは同じ間隔で半音ずつ下がるように入力しましょう。
●ピッチベンドはまとめて入力しよう!
ピッチベンドは以下の方法でまとめて入力できます。グリッサンドのピッチベンドやエクスプレッションは入力がとても大変なので、上手く活用しましょう。
1.まずはツールクオンタイズを「16分音符」に切り替えます。
2.ピッチベンドを変化させたい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックしましょう。
3.「選択範囲へ直線・曲線を入力」という画面が表示されました。
4.今回は1オクターブ下がるように設定します。E.Valueは「-8192」、Stepは「30」と入力してください。
5.指定した範囲のピッチベンドがまとめて入力されました。
6.まとめて入力すると、数値がズレる場合があります。その時は各自で数値を修正してください。
エクスプレッションもピッチベンドに合わせて入力していき、音の減衰を表現します。
イベントリストで見ると次のような感じになります。ピッチベンドとエクスプレッションが同じタイミングで設定されていることを確認してみてください。
グリッサンドの打ち込みを終えたら、ピッチベンドとエクスプレッションの値は元の位置に戻しておきましょう。
ビブラート
ビブラートはピッキングした後、弦を上下に動かして、音程を揺らす奏法です。この奏法は音に表現力を加えたい時によく使用されます。
ビブラートの打ち込み方
ビブラートの打ち込みではピッチベンドを活用します。ベンド幅は「1」に変更しておき、ピッチベンド値「0」の位置から上方向に波を描きます。
この時、ピッチベンドの波は半音を超えないように描きましょう。
●ピッチベンドの波を描いてみよう!
ピッチベンドの波は以下の方法で簡単に描けます。手入力はとても大変なので、うまく活用しましょう。
1.まずはピッチベンドを変化させたい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックします。
2.今回は半音上がるようにしたいので、E.Valueは「8191」と入力し、Stepは「1」と入力してください。
3.指定した範囲のピッチベンドがまとめて入力されました。
4.続けて、ピッチベンドを変化させたい範囲を指定し、「選択範囲へ直線・曲線を入力」をクリックします。
5.次は半音下がるようにしたいので、E.Valueは「0」と入力し、Stepは「1」と入力してください。
6.指定した範囲のピッチベンドがまとめて入力されました。
7.あとは同じ手順を繰り返して、ピッチベンドの波を完成させましょう。
ビブラートの打ち込みが終わったら、ベンド幅は元の値に戻してください。
●ベンド幅を途中から変更する方法
ベンド幅を途中から変更する場合は、以下の方法で行ないましょう。
1.まずはベンド幅を変更したい位置を選択します。
2.「挿入」メニューから「コントロールチェンジ」をクリックしてください。
3.追加された「255 Rest(休符)」をクリックし、「コントロールチェンジイベントのプロパティ」を表示させます。
4.「151 ベンド幅」を選択し、Valueの値には「12」を入力してください。
5.ベンド幅が「12」に変更されました。
まとめ
今回はDominoのベース音源を使用して、各奏法ごとにベースを打ち込むためのコツやポイントを詳しく解説しました。
ベースの打ち込み方を覚えると、人間味のあるリアルなベースラインが作れるようになります。本章を読み終えたら、各自でさまざまなベースラインを作成してみましょう。
Dominoの使い方講座では、ベース以外にも様々な楽器の打ち込み方法を解説しています。別の楽器の打ち込み方にもご関心があるかたは、以下の記事も併せてご覧ください。
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Cubaseユーザーの皆さま、ドラムの打ち込みでお困りではありませんか?
ドラムには複数の打楽器がセットになっており、ドラムを打ち込む場合はこれらの打楽器を上手く組み合わせなければなりません。
そこでこの記事では、Cubase付属のドラム音源「Groove Agent SE」を使用して、ドラムを打ち込むコツやポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、誰でも簡単にドラムが打ち込めるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
ドラム打ち込みの基礎知識
ドラムの打ち込みを始める前に、ドラムの基礎知識を身につけておきましょう。ドラムの基礎知識を身につけることで、間違ったドラムパターンを作らずに済みます。
ドラムセットの各部名称を覚えよう!
ドラムセットの打楽器は以下のように配置されています。各打楽器の名称と役割を一つずつ見ていきましょう。
バスドラム
バスドラムはドラムセットの中で最も低い音が出る打楽器です。別名ではキックやベースドラムとも呼ばれており、専用のキックペダルを使って演奏します。
ドラムセットの中では一番目立つ場所に位置し、迫力のある低音でリズムの土台を支えます。
スネア
スネアはリズムのアクセントを担当する打楽器です。ドラムセットの中では一番よく使われる打楽器で、曲のつなぎ目に入れるフィルインなどでも多様されます。
スネアには通常の叩き方以外にも、スネアの縁と一緒に叩くオープン・リムショット、スネアの縁のみを叩くクローズ・リムショット(サイドスティック)といった叩き方もあります
ハイハット
ハイハットは一定のリズムを刻むときに使用する打楽器です。シンバルが2枚重ねになっており、足元のペダルを操作して、シンバルを開閉させながら叩いて演奏します。
ハイハットの演奏方法は3つあり、シンバルを開いた状態で叩くオープン・ハイハット、シンバルを閉じた状態で叩くクローズ・ハイハット、ペダルを踏んで音を出すペダル・ハイハットです。
ハイタム
ハイタムはタムの中でもっとも高い音が出る打楽器です。大きさはロータムよりも一回り小さく、ドラマー視点からみて、バスドラムの左上に設置されます。
他のタム同様、曲のつなぎ目に入れるフィルインで使用される事が多いです。
ロータム
ロータムはハイタムよりも低い音が出る打楽器です。大きさはハイタムよりも一回り大きく、ドラマー視点からみて、バスドラムの右上に設置されます。
ハイタム同様、曲のつなぎ目に入れるフィルインで使用される事が多いです。
フロアタム
フロアタムはタムの中でもっとも低い音が出る打楽器です。こちらはハイタムやロータムのようにバスドラムに固定するのではなく、床に置いて使用します。
ハイタムやロータム同様、曲のつなぎ目に入れるフィルインで使用される事が多いです。
ライドシンバル
ライドシンバルはハイハット同様、一定のリズムを刻むときに使用する打楽器です。ドラムセットの中ではもっともサイズが大きく、厚みがあるシンバルです。
ライドシンバルには通常の叩き方以外にも、シンバルのカップ部分を叩くライドベルという叩き方もあります。
クラッシュシンバル
クラッシュシンバルはアクセントを付ける時に使用する打楽器です。ライドシンバルよりも派手な音なので、インパクトが欲しいときに使われます。
シンバルには小型のスプラッシュシンバルや独特な響きを持つチャイナシンバルなどもあり、クラッシュシンバルと組み合わせて使うこともあります。
Cubaseでドラムを打ち込もう!
では、実際にCubaseでドラムを打ち込んでみましょう。
ドラムトラックを準備する
まずは打ち込みで使用するドラムトラックを8つ準備します。今回はCubase付属のドラム音源「Groove Agent SE」を使ってみましょう。
1.右ゾーンから「VSTインストゥルメント」を選択します。
2.ドラム音源「Groove Agent SE」を選び、プロジェクトゾーンにドラッグ&ドロップします。
3.ドラム音源「Groove Agent SE」が表示されました。
4.「Kit 1」をクリックして、ドラム音源を読み込みます。
5.今回は「Rock/Metal」→「Alternative Rock」→「Break Me Down」を選択します。同じ音源が見当たらない場合は、他のドラム音源でも構いません。
6.「Groove Agent SE」にドラム音源がセットされました。
7.これでドラムトラックが1つ準備できました。
8.残りのドラムトラックを作成します。同じやり方で新たなドラムトラックを7つ準備しましょう。
9.作成したドラムトラックに名前を付けます。トラック名は赤枠をクリックして入力します。
10.各ドラムトラックに名前が付きました。
11.各ドラムトラックにPANを設定します。左下にある「MixConsole」をクリックし、MixConsoleを表示させましょう。
12.MixConsoleが表示されました。
13.今回は各ドラムトラックのPANを以下のように設定しましょう。
14.これでドラム打ち込みの準備が完了しました。
ドラムパートを打ち込む
それでは、各ドラムパートを打ち込んでいきましょう。
1.まずはバスドラムから打ち込みます。鉛筆ツールに切り替えて、バスドラムのタイムラインを左クリックしましょう。
2.1小節分のMIDIイベントが作成されました。
3.今回は4小節分のバスドラムを打ち込みます。以下の方法で入力範囲を広げましょう。
4.MIDIイベントをダブルクリックし、キーエディターを表示させます。
5.キーエディターが表示されました。
6.今回はドラムを打ち込むので、キーエディターをドラムエディターに切り替えましょう。
7.キーエディターがドラムエディターに切り替わりました。
8.ドラムエディターにドラムマップを設定します。「ドラムマップなし」をクリックし、「GM Map」をセットしましょう。
9.各ドラムパートのスナップ値を変更します。今回は8ビートで打ち込むので、スナップ値は「1/8(8分音符)」に変更してください。
10.全パートのスナップ値を「1/8(8分音符)」に変更しました。
11.バスドラムを打ち込みます。下図のように「Bass Drum(C1)」を1小節分打ち込んでください。
12.1小節分のバスドラムを打ち込んだら、2~4小節目にも同じものを打ち込みます。
13.これでバスドラムのパートが完成しました。
14.次はスネアを打ち込みます。スネアのタイムラインを左クリックした状態で右側へ広げていき、4小節分のMIDIイベントを作成します。
15.スネアのMIDIイベントが作成され、キーエディターが表示されました。
16.キーエディターをドラムエディターに切り替え、ドラムマップを設定しましょう。
17.スネアのドラムエディターに打ち込んだバスドラムを表示させます。「Shift」を押しながら、バスドラムのMIDIイベントを左クリックしましょう。
18.スネアのドラムエディターに打ち込んだバスドラムが表示されました。
19.スネアを打ち込みます。下図のように「Acoustic Snare(D1)」を1小節分打ち込んでください。
20.1小節分のスネアを打ち込んだら、2~4小節目にも同じものを打ち込みます。
21.これでスネアのパートが完成しました。
22.次はクローズ・ハイハットを打ち込みます。クローズ・ハイハットのタイムラインを左クリックし、4小節分のMIDIイベントを作成しましょう。
23.クローズ・ハイハットのMIDIイベントが作成され、キーエディターが表示されました。
24.キーエディターをドラムエディターに切り替え、ドラムマップを設定します。
25.クローズ・ハイハットを打ち込みます。下図のように「Closed Hi-Hat(F#1)」を1小節分打ち込んでください。
26.1小節分のクローズ・ハイハットを打ち込んだら、2~4小節目にも同じものを打ち込みます。
27.これでクローズ・ハイハットのパートが完成しました。
28.次はオープン・ハイハットを打ち込みます。オープン・ハイハットのタイムラインを左クリックし、4小節分のMIDIイベントを作成しましょう。
29.オープン・ハイハットのMIDIイベントが作成され、キーエディターが表示されました。
30.キーエディターをドラムエディターに切り替え、ドラムマップを設定します。
31.オープン・ハイハットを打ち込みます。下図のように「Open Hi-Hat(A#1)」を1小節分打ち込んでください。
32.1小節分のオープン・ハイハットを打ち込んだら、2~4小節目にも同じものを打ち込みます。
33.オープン・ハイハットとタイミングがかぶるクローズ・ハイハットは削除しておきましょう。
34.これでオープン・ハイハットのパートが完成しました。
35.次はクラッシュシンバルを打ち込みます。クラッシュシンバルのタイムラインを左クリックし、4小節分のMIDIイベントを作成しましょう。
36.クラッシュシンバルのMIDIイベントが作成され、キーエディターが表示されました。
37.キーエディターをドラムエディターに切り替え、ドラムマップを設定します。
38.クラッシュシンバルを打ち込みます。下図のように「Crash Cymbal(C#2)」を1小節分打ち込んでください。
39.クラッシュシンバルとタイミングがかぶるクローズ・ハイハットは削除しておきましょう。
40.これでクラッシュシンバルのパートが完成しました。
41.最後にハイタムやロータムを使って、ドラムパターンを変化させます。今回は4小節目に打ち込んだMIDIノートをすべて削除し、フィルインを入れてみましょう。
42.削除した小節にバスドラムを打ち込みます。バスドラムトラックに切り替えて、下図のように「Bass Drum(C1)」を打ち込みましょう。
43.削除した小節にスネアを打ち込みます。スネアトラックに切り替えて、下図のように「Acoustic Snare(D1)」を打ち込んでください。
44.ハイタムを打ち込みます。ハイタムのMIDIイベントを作成し、下図のように「High Tom(D2)」を打ち込みましょう。
45.ロータムを打ち込みます。ロータムのMIDIイベントを作成し、下図のように「Low Tom(A1)」を打ち込んでください。
46.最後にフロアタムを打ち込みます。フロアタムのMIDIイベントを作成し、下図のように「Low Floor Tom(F1)」を打ち込みましょう。
47.これでフィルイン入りのドラムパートが完成しました。
ベロシティを調整する
ドラムの打ち込みを終えたら、各ドラムのベロシティを調整しましょう。
1.コントローラーレーンにベロシティの設定画面を表示させます。
2.バスドラムのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
3.バスドラムのベロシティ値は「100」を基準に設定しました。2連打する部分では1回目を少し弱めにするため、ベロシティ値は「90」に設定しています。
4.スネアのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
5.スネアのベロシティ値は「100」を基準に設定しました。最後のフィルイン部分は強弱を付けるため、ベロシティ値は「80」に設定しています。
6.クローズ・ハイハットのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
●MIDIノートのベロシティをまとめて変更する
MIDIノートのベロシティは以下の方法で、まとめて変更することができます。
1.まとめて変更したいMIDIノートを「Shift」を押しながら左クリックします。
2.MIDIノートを選択した状態でベロシティ値を入力すると、ベロシティがまとめて変更されます。
7.クローズ・ハイハットのベロシティ値は「70」と「100」で強弱を付けました。同じハイハットであるオープン・ハイハットも含めて、強弱の関係にしましょう。
8.オープン・ハイハットのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
9.オープン・ハイハットのベロシティ値は「100」に設定しました。オープン・ハイハットは強弱の「強」部分にあたるので、すべての値を「100」に設定しています。
10.クラッシュ・シンバルのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
11.クラッシュシンバルのベロシティ値は「100」に設定しました。
12.残りは3つのタムです。まずはハイタムのベロシティを以下のように設定しましょう。
13.ハイタムはベロシティ値「100」と「80」で強弱の関係にしています。
14.次はロータムのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
15.ロータムはベロシティ値「100」と「80」で強弱の関係にしています。
16.最後にフロアタムのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
17.フロアタムはベロシティ値「100」と「80」で強弱の関係にしています。
18.これでベロシティを調整したドラムパートが完成しました。
新しいドラム音源を追加しよう!
Cubaseは新たにドラム音源を追加することができます。付属のドラム音源に不満があるかたは、新しいドラム音源を追加してみると良いでしょう。
今回は無料で使えるドラム音源「MT Power Drum Kit 2」をご紹介します。
ドラム音源「MT Power Drum Kit 2」で打ち込んでみた
先ほど作ったドラムパターンと同じものを「MT Power Drum Kit 2」で打ち込みました。ドラム音源を変えただけですが、劇的に音色が変化したことが確認できます。
各ドラムの定位やベロシティを調整することも大切ですが、それと同じくらい音源選びも大切ということを覚えておきましょう。
今回使用したドラム音源をCubaseに導入したいかたは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
まとめ
今回はCubase付属のドラム音源「Groove Agent SE」を使って、ドラムを打ち込むコツやポイントを詳しく解説しました。
ドラムの打ち込みを覚えると、リアルなドラムパターンが作れるようになります。本章を読み終えたら、各自でいろんなドラムパターンを作ってみましょう。
Cubaseの使い方講座では、ドラム以外にも様々な楽器の打ち込み方を解説しています。他の楽器の打ち込みにも興味があるかたは、以下の記事もあわせてご覧ください。
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Cubaseユーザーの皆さま、ギターの打ち込みでお困りではありませんか?
ギターにはハンマリングやチョーキングなど様々な奏法があり、これらを打ち込みで再現する場合はピッチベンドやエクスプレッションを上手く活用しなければなりません。
そこでこの記事では、Cubase付属のマルチ音源「HALion Sonic SE」を使用して、奏法別にギターを打ち込むコツやポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、誰でも簡単にリアルなギターパートが作れるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
ギター打ち込みの基礎知識
ギターの打ち込みを始める前に、ギターの基礎知識を身につけておきましょう。ギターの知識を得ることで、よりリアルなギターを打ち込めるようになります。
身につけておきたいギターの基礎知識は以下の3つです。
1.ギターの音域
2.ギターのボイシング
3.ピッチベンドとエクスプレッション(CC#11)
1.ギターの音域
ギターには6本の弦が張られており、各弦の音域は以下のようになっています。
ギターは6弦の音がもっとも低く、右へ行くほど音が高くなります。
ギターには同じ音が出せる場所が複数あります。ギターを打ち込むときは「何弦の音か?」を意識して入力するようにしましょう。
●2つの音名表記「国際式とヤマハ式」
音名の表記方法には国際式とヤマハ式があります。国際式は真ん中の「ド」が「C4」なのに対し、ヤマハ式は真ん中の「ド」が「C3」になっています。
音名の表記方法はDAWソフトによって異なるので、複数のDAWソフトを使う場合はMIDIの打ち込む位置に気を付けましょう。
2.ギターのボイシング
ギターを打ち込むときは、ギター特有のボイシングを知っておく必要があります。ギターは指の本数や長さの関係で物理的な制約があり、ピアノほど自由が利きません。
たとえば、Cadd9のコードを演奏する場合、ピアノでは簡単に押さえられますが、ギターでは指が届かずに押さえることができません。
ギターを打ち込むときは「指で押さえられるか?」を意識して入力しましょう。
3.ピッチベンドとエクスプレッション(CC#11)
ギターの奏法はピッチベンドとエクスプレッションを使って再現します。
・ピッチベンド
・エクスプレッション(CC#11)
ピッチベンド
ピッチベンドは音の高さを変化させるパラメーターです。ギターの打ち込みではハンマリングやスライド奏法などを再現するときに使用します。
値の変化量はベンドレンジによって異なり、今回使用するマルチ音源「HALion Sonic SE」は、デフォルトで「ベンドレンジ=2」に設定されています。
そのため、音程を全音上げる場合は「8191」、半音下げる場合は「-4096」と設定します。
エクスプレッション(CC#11)
エクスプレッションは音量を変化させるパラメーターです。ギターの打ち込みでは音量が減衰するハンマリングやグリッサンドなどの奏法を再現するときに使用します。
エクスプレッションの初期値は「127」になっており、この値が小さくなるほど音量は下がります。
●エクスプレッションを追加する
1.左下の「+」アイコンをクリックし、新たなコントローラーレーンを追加します。
2.追加されたコントローラーレーンにカーソンを合わせ、「▼」をクリックしましょう。
3.一覧から「CC 11(エクスプレッション)」を選択します。
4.コントローラーレーンにエクスプレッションが追加されました。
ギター音源を準備する
打ち込みで使用するクリーンギター音源とディストーションギターを準備します。今回はCubase付属のマルチ音源「HALion Sonic SE」を使ってみましょう。
クリーンギター音源を準備する
1.右ゾーンから「VSTインストゥルメント」を選択します。
2.マルチ音源「HALion Sonic SE」を選び、プロジェクトゾーンにドラッグ&ドロップします。
3.マルチ音源「HALion Sonic SE」が表示されました。
4.クリーンギター音源をセットします。「Guitar/Plucked」→「E.Guitar」→「Clean Guitar VX」を選びましょう。
5.クリーンギター音源がセットされました。
6.ベンドレンジを変更する場合はベンドレンジの数値をクリックし、値を変更しましょう。
ディストーションギター音源を準備する
1.右ゾーンから「VSTインストゥルメント」を選択します。
2.マルチ音源「HALion Sonic SE」を選び、プロジェクトゾーンにドラッグ&ドロップします。
3.マルチ音源「HALion Sonic SE」が表示されました。
4.ディストーションギター音源をセットします。「Guitar/Plucked」→「E.Guitar」→「Distortion Guitar VX」を選びましょう。
5.ディストーションギター音源がセットされました。
6.ベンドレンジを変更する場合はベンドレンジの数値をクリックし、値を変更しましょう。
ギターを打ち込もう!
ここでは、ギターの打ち込み方を奏法ごとに解説します。
コードストローク
コードストロークは指でコードを押さえて、「ジャラ~ン」と弾く奏法です。この奏法は腕を振り子のように振りながら、ダウンピッキングとアップピッキングを交互に使って演奏します。
コードストロークの打ち込み【Clean Gt】
コードストロークはMIDIノートの発音タイミングをズラして打ち込むことがポイントです。こうすることで各弦の音が鳴るまでに時間差が生まれ、ギターらしさを表現できます。
そして、もう一つ大切なことはピッキングの再現です。コードストロークはダウンピッキングとアップピッキングを交互に使って演奏するので、これも打ち込みで再現する必要があります。
ダウンピッキングの場合は低い音から弾くので、以下のように入力します。
●クオンタイズプリセットは「1/128」に設定しよう
打ち込む位置をズラす時は、クオンタイズプリセットを「1/128」に設定しましょう。
そうすることで打ち込む位置を「15」ずつ変更できます。
アップピッキングの場合は高い音から弾くので、以下のように入力します。
コードストロークはコードが変わるタイミングで一瞬音が途切れます。コードの変わり目は少し間を開けておき、ギターらしさを表現しましょう。
アルペジオ
アルペジオはコードを分散させて弾く奏法です。
アルペジオの打ち込み【Clean Gt】
アルペジオはもう一度同じ弦を弾くか、コードが切り替わるまでMIDIノートを伸ばすことがポイントです。こうすることで音が重なり、アルペジオがキレイに聴こえます。
ベロシティはコードの最高音を1番大きくし、ルート音を2番目に大きくします。そして、残りの音は適度にバラつかせて、均一にならないように入力しましょう。
そして、コードが切り替わるタイミングで一瞬音は途切れるので、コードの変わり目は少し間を開けておきます。
ハンマリング
ハンマリングは弦を弾いた後、別の指で弦を叩くようにして音を出す奏法です。この奏法は低い音から高い音へ繋ぐ時に使用します。
ハンマリングの打ち込み
ハンマリングはピッチベンドとエクスプレッションを使用して打ち込みます。ピッチベンドでは音程を上げ、エクスプレッションではハンマリング時の音の減衰を表現します。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させるため、ピッチベンド値は「8191」に設定しています。エクスプレッション値は「100」に設定し、ハンマリング時の音の減衰を再現しました。
プリング
プリングは押さえている弦を引っかくように離して、音を出す奏法です。この奏法は高い音から低い音へ繋げる時に使用します。
プリングの打ち込み
プリングはピッチベンドとエクスプレッションを使用して打ち込みます。ピッチベンドでは音程を下げて、エクスプレッションではプリング時の音の減衰を表現します。
今回は「ラ」の音を「ソ」に変化させるため、ピッチベンド値は「-8192」に設定しています。エクスプレッション値は「100」に設定し、プリング時の音の減衰を再現しました。
スライド
スライドは弦を弾いた後、弦の上を指で滑らせながら音程を変化させる奏法です。この奏法は半音単位で音程が変化するため、音をなめらかに繋ぐ時に使用します。
スライドの打ち込み【Clean Gt】
スライドはピッチベンドとエクスプレッションを使用して打ち込みます。ピッチベンドでは音程を変化させ、エクスプレッションではスライド時の音の減衰を表現します。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させるため、ピッチベンドとエクスプレッションは以下のように設定しています。スライドは半音単位で音程が変化します。経過音も忘れずに入れましょう。
スライドは経過音を入れるタイミングがとても重要です。経過音を入れる際は音を聴きながら、タイミングを調整しましょう。
グリッサンド
グリッサンドは弦を弾いた後、弦の上を指で滑らせて音程を変化させる奏法です。この奏法はスライドとよく似ており、こちらも半音単位で音程が変化します。
グリッサンドの打ち込み(Distortion Gt)
グリッサンドはピッチベンドとエクスプレッションを使用して打ち込みます。ピッチベンドは音程を変化させ、エクスプレッションはグリッサンド時の音の減衰を表現します。
ピッチベンドは同じ間隔で半音ずつ下がるように設定し、グリッサンド時の音程変化を再現します。
エクスプレッションはピッチベンドと同じ間隔で設定し、グリッサンド時の音の減衰を表現します。
最後にピッチベンドとエクスプレッションの値は元に戻しておきましょう。
ビブラート
ビブラートは弦を弾いた後、押さえている弦を上下に動かし、音を揺らす奏法です。
ビブラートの打ち込み
ビブラートはピッチベンドを使用して打ち込みます。上の画像のように「ベンドレンジ=1」に変更し、ピッチベンド値「0」の位置から上方向に波を作ります。
この時、ピッチベンドの値は半音を超えないように設定しましょう。
●ビブラートの波を作ろう!
1.「ライン」ツールをクリックし、サイン波に切り替えます。
2.コントローラーレーンを左クリックし、以下のようにビブラートの波を作りましょう。
3.「オブジェクトの選択」ツールに切り替え、入力した波全体を囲んでください。
4.波の大きさを調整しながら、波の位置を移動させましょう。
5.これでビブラートの波が完成しました。
カッティング
カッティングはストローグとブラッシングを組み合わせて、歯切れのよいリズムを刻む奏法です。
カッティングの打ち込み【Clean Gt】
カッティングはブラッシング部分のMIDIノートを短くすることがポイントです。MIDIノートの長さは「00.00.15」ぐらいに設定するとよいでしょう。
ベロシティはストローク部分とブラッシング部分で差を付けます。今回はストローク部分のベロシティ値「100」、ブラッシング部分のベロシティ値「80」に設定しています。
そして、もう一つ大切なことはピッキングの再現です。今回は以下のようにダウン&アップを繰り返しているので、こちらも打ち込みで再現する必要があります。
ダウンピッキングの場合は低い音から弾くので、以下のように入力します。
アップピッキングの場合は高い音から弾くので、以下のように入力します。
ブリッジミュート
ブリッジミュートはピッキングする方の手をブリッジに置き、弦に軽く触れながら弾く奏法です。この奏法はギターにディストーションをかけて、パワーコードと合わせてよく演奏されます。
ブリッジミュートの打ち込み【Distortion Gt】
ブリッジミュートはエクスプレッションを使用して打ち込みます。エクスプレッションで音量が早く減衰するように書き込み、ブリッジミュート時の音の減衰を表現します。
音量の減衰は鳴り始めから20%あたりの位置でスタートさせ、7割程度減衰させます。今回はエクスプレッション値「127」からエクスプレッション値「40」まで減衰させました。
●ラインツールで入力しよう
エクスプレッションの書き込みはクオンタイズプリセットの「1/32」に設定し、ラインツールを使いましょう。
そうすることでキレイな線が簡単に描けます。
そして、もう一つ大切なことはピッキングの再現です。今回は以下のようにすべてダウンピッキングで演奏しているので、こちらも打ち込みで再現する必要があります。
普通に演奏する部分は以下のように入力します。パワーコードは2音だけなので、打ち込む位置は同じで構いません。ベロシティ値だけ差を付けておきましょう。
ブリッジミュート部分は以下のように入力します。ベロシティ値は普通に弾く部分よりも低く設定し、差を付けておきましょう。
チョーキング
チョーキングは弾いた弦を指で押し上げて音程を変化させる奏法です。音程を上げる動作はチョークアップ、音程を戻す動作はチョークダウンと呼びます。
チョーキングの打ち込み【Clean Gt】
チョーキングはピッチベンドを使用して打ち込みます。チョークアップ時は音程が上がるように書き込み、チョークダウン時は音程が戻るように書き込みます。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させているので、ピッチベンドは以下のように書き込みましょう。
●ラインツールで入力しよう
ピッチベンドの書き込みはクオンタイズプリセットの「1/32」に設定し、ラインツールを使いましょう。
そうすることでキレイな線が簡単に描けます。
まとめ
今回はCubase付属のマルチ音源「HALion Sonic SE」を使用して、奏法別にギターを打ち込むコツやポイントを詳しく解説しました。
ギターを打ち込みで表現できるようになると、リアルなギターパートが作れるようになります。本章を読み終えたら、各自でギターパート作りにチャレンジしてみましょう。
Cubaseの使い方講座では、ギター以外にも様々な楽器の打ち込み方を解説しています。他の楽器の打ち込み方にも興味があるかたは、以下の記事もあわせてご覧ください。
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Cubaseユーザーの皆さま、ベースの打ち込みでお困りではありませんか?
ベースにはハンマリングやスライドなど様々な奏法があり、これらを打ち込みで再現する場合はピッチベンドやエクスプレッションを上手く活用しなければなりません。
この記事では、Cubase付属のマルチ音源「HALion Sonic SE」を使用して、奏法別にベースを打ち込むコツやポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、誰でも簡単にベースが打ち込めるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
ベース打ち込みの基礎知識
ベースの打ち込みを始める前に、ベースの基礎知識を身につけておきましょう。ベースの知識を得ることで、よりリアルなベースラインが作れるようになります。
身につけておきたいベースの基礎知識は以下の3つです。
1.ベースの音域
2.ピッチベンド
3.エクスプレッション(CC#11)
1.ベースの音域
ベースには4本の弦が張られており、各弦の音域は以下のようになっています。
ベースは4弦の音がもっとも低く、右へ行くほど音程が高くなります。
ベースには同じ音が出せる場所が複数あります。ベースを打ち込むときは「何弦の音か?」を意識して入力するようにしましょう。
●2つの音名表記「国際式とヤマハ式」
音名の表記方法には国際式とヤマハ式があります。国際式は真ん中の「ド」が「C4」なのに対し、ヤマハ式は真ん中の「ド」が「C3」になっています。
音名の表記方法はDAWソフトによって異なるので、複数のDAWソフトを使う場合はMIDIの打ち込む位置に気を付けましょう。
2.ピッチベンド
ピッチベンドは音の高さを変化させるパラメーターです。ベースの打ち込みではハンマリングやグリッサンドなどの奏法を再現するときに使用します。
値の変化量はベンドレンジによって異なり、今回使用するマルチ音源「HALion Sonic SE」は、デフォルトで「ベンドレンジ=2」に設定されています。
そのため、音程を全音上げる場合は「8191」、半音下げる場合は「-4096」と設定します。
3.エクスプレッション(CC#11)
エクスプレッションは音量を変化させるパラメーターです。ベースの打ち込みでは音量が減衰するハンマリングやスライドなどを再現するときに使用します。
エクスプレッションの初期値は「127」になっており、この値が小さくなるほど音量は下がります。
●エクスプレッションを追加する
1.左下の「+」アイコンをクリックし、新たなコントローラーレーンを追加します。
2.追加されたコントローラーレーンにカーソンを合わせ、「▼」をクリックしましょう。
3.一覧から「CC 11(エクスプレッション)」を選択します。
4.コントローラーレーンにエクスプレッションが追加されました。
ベース音源を準備する
打ち込みで使用するベース音源を準備します。今回はCubase付属のマルチ音源「HALion Sonic SE」を使ってみましょう。
1.右ゾーンから「VSTインストゥルメント」を選択します。
2.マルチ音源「HALion Sonic SE」を選び、プロジェクトゾーンにドラッグ&ドロップしてください。
3.マルチ音源「HALion Sonic SE」が表示されました。
4.ベース音源をセットします。「Bass」→「E.Bass」→「Electric Bass VX」を選びましょう。
5.ベース音源がセットされました。
6.ベンドレンジを変更します。「EDIT」をクリックしましょう。
7.エディット画面が表示されました。
8.今回は「ベンドレンジ=12」を使用します。ベンドレンジの数値をクリックして、値を変更しましょう。
9.これでマルチ音源「HALion Sonic SE」のベンドレンジが「12」に変更されました。
ベースを打ち込もう!
ここでは、ベースの打ち込み方を奏法別に解説します。
・ハンマリング
・プリング
・スライド
・グリッサンド
・ビブラート
ハンマリング
ハンマリングは弦を叩くようにフレットを押さえて音を出すテクニックです。このテクニックは低い音から高い音へなめらかに繋ぐ時によく使われます。
ハンマリングの打ち込み
ハンマリングはピッチベンドとエクスプレッションを用いて打ち込みます。ピッチベンドでは音程を上げ、エクスプレッションではハンマリング時の音の減衰を表現します。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させるため、ピッチベンド値は「1365」に設定しています。エクスプレッション値は「100」に設定し、ハンマリング時の音の減衰を再現しました。
プリング
プリングは押さえている弦を引っかくように離し、ピッキングせずに音を出すテクニックです。このテクニックは高い音から低い音へなめらかに繋げる時によく使われます。
プリングの打ち込み
プリングはピッチベンドとエクスプレッションを用いて打ち込みます。ピッチベンドでは音程を下げて、エクスプレッションではプリング時の音の減衰を表現します。
今回は「ラ」の音を「ソ」に変化させるため、ピッチベンド値は「-1365」に設定しています。エクスプレッション値は「100」に設定し、プリング時の音の減衰を再現しました。
スライド
スライドは押弦した指を滑らせながら音程を変化させていくテクニックです。このテクニックは半音単位で音程が変化するため、音をなめらかに繋げたい時によく用いられます。
スライドの打ち込み
スライドはピッチベンドとエクスプレッションを用いて打ち込みます。ピッチベンドでは音程を変化させ、エクスプレッションではスライド時の音の減衰を表現します。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させるため、ピッチベンドとエクスプレッションは以下のように設定しました。スライドは半音単位で音程が変化するので、経過音も忘れずに入れましょう。
スライドは経過音を入れるタイミングがとても重要です。経過音を入れる際は音を聴きながら、タイミングを調整しましょう。
グリッサンド
グリッサンドは指を滑らせながら音程を変えていくテクニックです。このテクニックはスライドによく似ており、こちらも半音単位で音程が変化します。
グリッサンドの打ち込み
グリッサンドはピッチベンドとエクスプレッションを用いて打ち込みます。ピッチベンドでは音程を変化させ、エクスプレッションではグリッサンド時の音の減衰を表現します。
グリッサンドは半音単位で音程が変化するので、ピッチベンドは同じ間隔で半音ずつ下がるように設定します。
エクスプレッションはピッチベンドと同じ間隔で設定し、グリッサンド時の音の減衰を表現します。
最後にピッチベンドとエクスプレッションの値は元に戻しておきましょう。
ビブラート
ビブラートは弦を弾いた後、押さえている弦を上下に動かし、音を揺らすテクニックです。
ビブラートの打ち込み
ビブラートはピッチベンドを用いて打ち込みます。上の画像のように「ベンドレンジ=1」に変更し、ピッチベンド値「0」の位置から上方向に波を作ります。
この時、ピッチベンドの値は半音を超えないように設定しましょう。
●ビブラートの波を作ろう!
1.「ライン」ツールをクリックし、サイン波に切り替えます。
2.コントローラーレーンを左クリックし、以下のようにビブラートの波を作りましょう。
3.「オブジェクトの選択」ツールに切り替え、入力した波全体を囲んでください。
4.波の大きさを調整しながら、波の位置を移動させましょう。
5.これでビブラートの波が完成しました。
まとめ
今回はCubase付属のマルチ音源「HALion Sonic SE」を使用して、奏法別にベースを打ち込むコツやポイントを詳しく解説しました。
ベースを打ち込みで表現できるようになると、リアルなベースラインが作れるようになります。本章を読み終えたら、各自でいろんなベースラインを作ってみて、音楽制作に役立てましょう。
Cubaseの使い方講座では、ベース以外にも様々な楽器の打ち込み方を解説しています。他の楽器の打ち込み方にも興味があるかたは、以下の記事もあわせてご覧ください。
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Studio Oneユーザーの皆さま、ドラムの打ち込みでお困りではありませんか?
ドラムには複数の打楽器がセットになっており、ドラムを打ち込む場合はこれらの打楽器を上手く組み合わせて作らなければなりません。
そこでこの記事では、Studio One付属のマルチ音源「Presence」を使用して、ドラムを打ち込むコツやポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、誰でも簡単にドラムが打ち込めるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
ドラム打ち込みの基礎知識
ドラムの打ち込みを始める前に、ドラムの基礎知識を身につけておきましょう。ドラムの基礎知識を身につけることで、間違ったドラムパターンを作らずに済みます。
ドラムセットの各部名称を覚えよう!
ドラムセットの打楽器は以下のように配置されています。各打楽器の名称と役割を一つずつ見ていきましょう。
バスドラム
バスドラムはもっとも低い音を出し、リズムの土台を担う打楽器です。ドラムセットの中では一番大きな打楽器で、キックペダルを踏んで演奏します。
別名ではキックやベースドラムとも呼ばれており、ドラムの低音部分を担当する楽器です。
バスドラムのノートナンバーは以下のようになっています。一緒に覚えておきましょう。
スネア
スネアはリズムのアクセントを担当する打楽器です。ドラムセットの中では一番よく使われる打楽器で、曲のつなぎ目に入れるフィルインなどでも多様されます。
スネアには通常の叩き方以外にも、スネアの縁と一緒に叩くオープン・リムショット、スネアの縁のみを叩くクローズ・リムショット(サイドスティック)といった叩き方もあります。
スネアのノートナンバーは以下のようになっています。一緒に覚えておきましょう。
ハイハット
ハイハットは一定のリズムを刻む際に使用する打楽器です。シンバルが2枚重ねになっており、足元のペダルを操作して、シンバルを開閉させながら叩いて演奏します。
ハイハットの演奏方法は3つあり、シンバルを開いた状態で叩くオープン・ハイハット、シンバルを閉じた状態で叩くクローズ・ハイハット、ペダルを踏んで音を出すペダル・ハイハットです。
ハイハットのノートナンバーは以下のようになっています。一緒に覚えておきましょう。
ハイタム
ハイタムはタムの中でもっとも高い音が出る打楽器です。大きさはロータムよりも一回り小さく、ドラマー視点からみて、バスドラムの左上に設置されます。
他のタム同様、曲のつなぎ目に入れるフィルインで使用される事が多いです。
ハイタムのノートナンバーは以下のようになっています。一緒に覚えておきましょう。
ロータム
ロータムはハイタムよりも低い音が出る打楽器です。大きさはハイタムよりも一回り大きく、ドラマー視点からみて、バスドラムの右上に設置されます。
ハイタム同様、曲のつなぎ目に入れるフィルインで使用される事が多いです。
ロータムのノートナンバーは以下のようになっています。一緒に覚えておきましょう。
フロアタム
フロアタムはタムの中でもっとも低い音が出る打楽器です。こちらはハイタムやロータムのようにバスドラムに固定するのではなく、床に置いて使用します。
ハイタムやロータム同様、曲のつなぎ目に入れるフィルインで使用される事が多いです。
フロアタムのノートナンバーは以下のようになっています。一緒に覚えておきましょう。
ライドシンバル
ライドシンバルはハイハット同様、一定のリズムを刻む際に使用する打楽器です。ドラムセットの中ではもっともサイズが大きく、厚みがあるシンバルです。
ライドシンバルには通常の叩き方以外にも、シンバルのカップ部分を叩くライドベルという叩き方もあります。
ライドシンバルのノートナンバーは以下のようになっています。一緒に覚えておきましょう。
クラッシュシンバル
クラッシュシンバルはアクセントを付ける時に使用する打楽器です。ライドシンバルよりも派手な音が特徴で、インパクトが欲しい時によく使われます。
シンバルには小型のスプラッシュシンバルや独特な響きを持つチャイナシンバルなどもあり、クラッシュシンバルと組み合わせて使うこともあります。
クラッシュシンバルなどのノートナンバーは以下のようになっています。一緒に覚えておきましょう。
Studio Oneでドラムを打ち込もう!
では、実際にStudio Oneでドラムを打ち込んでみましょう。
ドラムトラックを準備する
まずは打ち込みで使用するドラムトラックを8つ準備します。今回はStudio One付属のマルチ音源「Presence」を使ってみましょう。
1.ブラウザからインストゥルメントを選択します。
2.「PreSonus」→「Presence」→「Artist Instruments」→「Drum Kits」を選びましょう。
3.「Drum Kits」内にある「Basic Kit」を選び、アレンジビューにドラッグ&ドロップします。
4.ドラム音源付きのインストゥルメントトラックが作成されました。
5.残りのドラムトラックを作成します。ドラムトラックを7つ追加しましょう。
6.作成したドラムトラックに名前を付けます。トラック名は赤枠をクリックして入力します。
7.各ドラムトラックに名前が付きました。
8.各ドラムトラックにPANを設定します。右下にある「ミックス」をクリックし、ミックスビューを表示させましょう。
9.ミックスビューが表示されました。
10.今回は各ドラムトラックのPANを以下のように設定してください。
11.これでドラム打ち込みの準備が完了しました。
ドラムパートを打ち込む
それでは、各ドラムパートを打ち込んでいきましょう。
1.まずはバスドラムのアレンジビューをダブルクリックし、イベント(音符入力用の入れ物)を作成します。
2.バスドラムトラックに1小節分のイベントが作成されました。
3.今回は4小節分のバスドラムを打ち込みたいので、以下の方法で入力範囲を広げましょう。
4.イベントをダブルクリックし、音楽エディターを表示させます。
5.音楽エディターが表示されました。
6.今回はドラムの打ち込みなので、ドラムアイコンをクリックし、ドラムエディターに切り替えます。
7.音楽エディターがドラムエディターに切り替わりました。
8.ドラムエディターにドラムマップを設定します。下図の赤枠をクリックし、「GM Drums」をセットしてください。
9.今回は8ビートで打ち込むので、クオンタイズは「1/8(8分音符)」に変更しておきましょう。
10.バスドラムを打ち込みます。下図のように「Bass Drum(C1)」を1小節分打ち込んでください。
11.1小節分のバスドラムを打ち込んだら、2~4小節目にも同じものを打ち込みます。
12.これでバスドラムのパートが完成しました。
13.次はスネアを打ち込みます。スネアのアレンジビューをダブルクリックし、イベント(音符入力用の入れ物)を作成しましょう。
14.スネアのイベントが作成され、音楽エディターが表示されました。
15.音楽エディターをドラムエディターに切り替え、ドラムマップを設定しましょう。
16.スネアのドラムエディターに打ち込んだバスドラムを表示させます。左上の「三」ボタンをクリックし、トラックリストを表示させてください。
17.トラックリストが表示されました。
18.トラックリストの「・」をクリックし、打ち込んだバスドラムをスネアのドラムエディターに表示させます。
19.スネアを打ち込みます。下図のように「Acoustic Snare(D1)」を1小節分打ち込んでください。
20.1小節分のスネアを打ち込んだら、2~4小節目にも同じものを打ち込みます。
21.これでスネアのパートが完成しました。
22.次はクローズ・ハイハットを打ち込みます。クローズ・ハイハットのアレンジビューをダブルクリックし、イベント(音符入力用の入れ物)を作成しましょう。
23.クローズ・ハイハットのイベントが作成され、音楽エディターが表示されました。
24.ドラムエディターに切り替えて、クローズ・ハイハットを打ち込みます。下図のように「Closed HiHat(F#1)」を1小節分打ち込んでください。
25.1小節分のクローズ・ハイハットを打ち込んだら、2~4小節目にも同じものを打ち込みます。
26.これでクローズ・ハイハットのパートが完成しました。
27.次はオープン・ハイハットを打ち込みます。オープン・ハイハットのアレンジビューをダブルクリックし、イベント(音符入力用の入れ物)を作成しましょう。
28.オープン・ハイハットのイベントが作成され、音楽エディターが表示されました。
29.ドラムエディターに切り替えて、オープン・ハイハットを打ち込みます。下図のように「Open HiHat(A#1)」を1小節分打ち込んでください。
30.1小節分のオープン・ハイハットを打ち込んだら、2~4小節目にも同じものを打ち込みます。
31.オープン・ハイハットとタイミングがかぶるクローズ・ハイハットは削除しておきましょう。
32.これでオープン・ハイハットのパートが完成しました。
33.次はクラッシュシンバルを打ち込みます。クラッシュシンバルのアレンジビューをダブルクリックし、イベント(音符入力用の入れ物)を作成しましょう。
34.クラッシュシンバルのイベントが作成され、音楽エディターが表示されました。
35.ドラムエディターに切り替えて、クラッシュシンバルを打ち込みます。下図のように「Crash Cymbal1(C#2)」を打ち込んでください。
36.クラッシュシンバルとタイミングがかぶるクローズ・ハイハットは削除しておきましょう。
37.クラッシュシンバルのパートが完成しました。
38.最後にハイタムやロータムを使って、ドラムパターンを変化させてみましょう。今回は4小節目に打ち込んだMIDIノートをすべて削除し、フィルインを入れます。
●複数トラックを編集する場合は鉛筆アイコンをオンにしよう!
1.編集したいトラックの鉛筆アイコンをオンにします。
2.この状態で別トラックのMIDIノートをクリックすると、瞬時にトラックを切り替えることができます。
39.削除した小節にバスドラムを打ち込みます。バスドラムトラックに切り替えて、下図のように「Bass Drum(C1)」を打ち込みましょう。
40.削除した小節にスネアを打ち込みます。スネアトラックに切り替えて、下図のように「Acoustic Snare(D1)」を打ち込んでください。
41.ハイタムを打ち込みます。ハイタムトラックに切り替えて、下図のように「High Tom(D2)」を打ち込みましょう。
42.ロータムを打ち込みます。ロータムトラックに切り替えて、下図のように「Low Tom(A1)」を打ち込んでください。
43.最後にフロアタムを打ち込みます。フロアタムトラックに切り替えて、下図のように「Low Floor Tom(F1)」を打ち込みましょう。
44.これでフィルイン入りのドラムパートが完成しました。
ベロシティを調整する
ドラムの打ち込みを終えたら、各ドラムパーツのベロシティを調整しましょう。
1.バスドラムのベロシティを調整します。ベロシティの調整はバーを左クリックし、上下にドラッグさせながら行います。
2.バスドラムのベロシティは以下のように設定しましょう。
3.バスドラムのベロシティ値は「100」を基準に設定しました。2連打する部分では1回目を少し弱めにするため、ベロシティ値は「90」に設定しています。
4.スネアのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
5.スネアのベロシティ値は「100」を基準に設定しました。最後のフィルイン部分は強弱を付けるため、ベロシティ値は「80」に設定しています。
6.クローズ・ハイハットのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
●MIDIノートのベロシティをまとめて変更する
MIDIノートのベロシティは以下の方法で、まとめて変更することができます。
1.まとめて変更したいMIDIノートを「Shift」を押しながら左クリックします。
2.変更したいMIDIノートを選択したら、ベロシティのバーを上下に動かし、ベロシティをまとめて調整します。
7.クローズ・ハイハットのベロシティ値は「70」と「100」で強弱を付けました。同じハイハットであるオープン・ハイハットも含めて、強弱の関係にしましょう。
8.オープン・ハイハットのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
9.オープン・ハイハットのベロシティ値は「100」に設定しました。オープン・ハイハットは強弱の「強」部分にあたるので、すべての値を「100」に設定します。
10.クラッシュ・シンバルのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
11.クラッシュシンバルのベロシティ値は「90」に設定しました。クラッシュ・シンバルは音が派手なので、「100」よりもやや弱めに設定しています。
12.残りは3つのタムです。まずはハイタムのベロシティを以下のように設定しましょう。
13.ハイタムはフィルイン部分なので、ベロシティ値「100」と「80」で強弱の関係にします。
14.次はロータムのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
15.ロータムもフィルイン部分なので、ベロシティ値「100」と「80」で強弱の関係にします。
16.最後にフロアタムのベロシティを調整します。以下のように設定しましょう。
17.フロアタムもフィルイン部分なので、ベロシティ値「100」と「80」で強弱の関係にします。
18.これでベロシティを調整したドラムパターンが完成しました。
新しいドラム音源を追加しよう!
Studio Oneは新たにドラム音源を追加することができます。付属音源の音色に不満があるかたは、新しいドラム音源を追加して使ってみましょう。
今回は無料で使えるドラム音源「MT Power Drum Kit 2」をご紹介します。
ドラム音源「MT Power Drum Kit 2」で打ち込んでみた
先ほど作ったドラムパターンと同じものを「MT Power Drum Kit 2」で打ち込んでみました。ドラム音源を変えただけですが、劇的に音色が変化したことが確認できると思います。
各ドラムパーツの定位やベロシティを調整することも大切ですが、それと同じくらい音源選びも大切ということを覚えておきましょう。
今回使用したドラム音源をStudio Oneに導入したいかたは、こちらの記事もあわせてご覧ください。
まとめ
今回はStudio One付属のマルチ音源「Presence」を使用して、ドラムを打ち込むコツやポイントを詳しく解説しました。
ドラムの打ち込みを覚えると、リアルなドラムパターンが作れるようになります。本章を読み終えたら、各自でいろんなドラムパターンを作ってみましょう。
Studio Oneの使い方講座では、ドラム以外にも様々な楽器の打ち込み方を解説しています。他の楽器の打ち込みにも興味があるかたは、以下の記事もあわせてご覧ください。
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ギターにはコードストロークやブリッジミュートなど多彩な技法があり、これらを打ち込みで再現する場合は、ピッチベンドやボリューム(CC#7)の使い方を覚えておく必要があります。
そこでこの記事では、Studio One付属のマルチ音源「Presence」を使用して、各奏法ごとにギターを打ち込むためのコツやポイントを詳しく解説します。
この記事を読むと、ギターの打ち込み方が分かるようになると思うので、ギターの打ち込みを覚えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
ギター打ち込みの基礎知識
ギターの打ち込みを始める前に、最低限必要なギターの基礎知識を身につけましょう。ギターの基礎知識を身につけることで、よりリアルなギターを打ち込めるようになります。
身につけておきたいギターの基礎知識は以下の3つです。
1.ギターの音域
2.ギターのボイシング
3.ピッチベンドとボリューム(CC#7)
1.ギターの音域
ギターには6本の弦が張られており、各弦の音域は以下のようになっています。
ギターは6弦の音がもっとも低く、右へ行くほど音が高くなります。
ギターは同じ音が出せる場所が複数あります。ギターを打ち込むときは「何弦の音か?」を意識しながら入力しましょう。
●2つの音名表記「国際式とヤマハ式」
音名の表記方法には国際式とヤマハ式があります。国際式は真ん中の「ド」が「C4」なのに対し、ヤマハ式は真ん中の「ド」が「C3」になっています。
音名の表記方法はDAWソフトによって異なるので、複数のDAWソフトを使う場合はMIDIの打ち込む位置に気を付けましょう。
2.ギターのボイシング
ギターを打ち込むときは、ギター特有のボイシングを知っておく必要があります。ギターは指の本数や長さの関係で物理的な制約があり、ピアノほど自由が利きません。
たとえば、Cadd9のコードを演奏する場合、ピアノでは簡単に押さえられますが、ギターでは指が届かずに押さえることができません。
ギターを打ち込むときは「指で押さえられるか?」を意識して入力しましょう。
3.ピッチベンドとボリューム(CC#7)
ギターの奏法はピッチベンドとボリュームを使って再現します。
・ピッチベンド
・ボリューム(CC#7)
ピッチベンド
ピッチベンドは音の高さを変化させるパラメーターです。ギターの打ち込みではスライド奏法やチョーキングなどを再現するときに使用します。
ピッチベンドの最大変化量は使用する音源によって異なり、今回使用するマルチ音源の場合は「ベンドレンジ=2」になっています。
そのため、音程を半音上げる場合は「0.50」、全音下げる場合は「-1.00」と設定します。
ボリューム(CC#7)
ボリュームは音量を変化させるパラメーターです。Studio Oneではマスターゲインと呼ばれており、音量が減衰するハンマリングやブリッジミュートなどを再現するときに使用します。
マスターゲインの初期値は「127」になっており、この値が小さくなるほど音量が下がります。
●マスターゲインを追加する
1.マスターゲインを追加する場合は、左側の「…」アイコンをクリックします。
2.「Master Gain(CC 7)」を選択し、「追加」を押しましょう。
3.マスターゲインが追加されました。
ギター音源を準備する
打ち込みで使用するギター音源を準備します。今回はStudio One付属のマルチ音源「Presence」を使ってみましょう。
1.ブラウザからインストゥルメントを選択します。
2.「PreSonus」→「Presence」→「Artist Instruments」→「Guitar」を選びましょう。
3.「Guitar」内にある「Clean Guitar」を選び、アレンジビューにドラッグ&ドロップします。
4.クリーンギター音源がセットされたプラグイン音源「Presence」が表示されました。
5.今回は「ベンドレンジ=12」で使用します。ベンドレンジの数値をクリックして、値を変更しましょう。
6.クリーンギター音源のベンドレンジが「12」に変更されました。
7.クリーンギター音源の準備ができたら、次はディストーションギター音源を準備します。
8.「Guitar」内にある「Distorted Gtr」を選び、アレンジビューにドラッグ&ドロップします。
9.ディストーションギター音源がセットされたプラグイン音源「Presence」が表示されました。
10.今回は「ベンドレンジ=12」で使用します。ベンドレンジの数値をクリックして、値を変更しましょう。
11.ディストーションギター音源のベンドレンジが「12」に変更されました。
12.これでギター音源の準備が整いました。
ギターを打ち込もう!
ここでは、ギターの打ち込み方を奏法ごとに解説します。
コードストローク
コードストロークは指でコードを押さえて、「ジャラ~ン」と弾く奏法です。この奏法は腕を振り子のように振りながら、ダウンピッキングとアップピッキングを交互に使って演奏します。
コードストロークの打ち込み【Clean Gt】
コードストロークはMIDIノートの発音タイミングをズラして打ち込むことがポイントです。こうすることで各弦の音が鳴るまでに時間差が生まれ、ギターらしさを表現できます。
そして、もう一つ大切なことはピッキングの再現です。コードストロークはダウンピッキングとアップピッキングを交互に使って演奏するので、これも打ち込みで再現する必要があります。
ダウンピッキングの場合は低い音から弾くので、以下のように入力します。
アップピッキングの場合は高い音から弾くので、以下のように入力します。
コードストロークはコードが変わるタイミングで一瞬音が途切れます。コードの変わり目は少し間を開けておき、ギターらしさを表現しよう。
アルペジオ
アルペジオはコードを分散させて弾く奏法です。
アルペジオの打ち込み【Clean Gt】
アルペジオはもう一度同じ弦を弾くか、コードが切り替わるまでMIDIノートを伸ばすことがポイントです。こうすることで音が重なり、アルペジオがキレイに聴こえます。
ベロシティはコードの最高音を1番大きくし、ルート音を2番目に大きくします。そして、残りの音は適度にバラつかせて、均一にならないように入力しましょう。
そして、コードが切り替わるタイミングで一瞬音は途切れるので、コードの変わり目は少し間を開けておきましょう。
ハンマリング
ハンマリングは弦を弾いた後、別の指で弦を叩くように音を出す奏法です。この奏法は低い音から高い音へ繋げる時に使用します。
ハンマリングの打ち込み【Clean Gt】
ハンマリングはピッチベンドとマスターゲインを使用して打ち込みます。ピッチベンドでは音程を上げて、マスターゲインではハンマリング時の音の減衰を表現します。
今回はピッチベンド値「0.17」に設定し、「ソ」の音を「ラ」に変化させています。マスターゲインは「100」に設定し、音の減衰を再現しています。
プリング
プリングは押さえている弦を引っかくように離して、音を出す奏法です。この奏法は高い音から低い音へ繋げる時に使用します。
プリングの打ち込み【Clean Gt】
プリングはピッチベンドとマスターゲインを使用して打ち込みます。ピッチベンドでは音程を下げて、マスターゲインではプリング時の音の減衰を表現します。
今回はピッチベンド値「-0.17」に設定し、「ラ」の音を「ソ」に変化させています。マスターゲインは「100」に設定し、音の減衰を再現しています。
スライド
スライドは弦を弾いた後、弦の上を指で滑らせながら音程を変化させる奏法です。この奏法はグリッサンドとよく似ていますが、こちらは到達地点がしっかりと決められています。
スライドの打ち込み【Clean Gt】
スライドはピッチベンドとマスターゲインを使用して打ち込みます。ピッチベンドでは音程を変化させて、マスターゲインではスライド時の音の減衰を表現します。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させるため、ピッチベンドとマスターゲインは以下のように設定しています。スライドは半音単位で音程が変化します。経過音も忘れずに入れましょう。
スライドは経過音を入れるタイミングがとても重要です。経過音を入れる際は音を聴きながら、タイミングを調整しましょう。
グリッサンド
グリッサンドは弦を弾いた後、弦の上を指で滑らせて音程を変化させる奏法です。この奏法はスライドとよく似ていますが、こちらは到達地点が決められていません。
グリッサンドの打ち込み(Distortion Gt)
グリッサンドはピッチベンドとマスターゲインを使用して打ち込みます。ピッチベンドは音程を変化させ、マスターゲインはグリッサンド時の音の減衰を表現します。
ピッチベンドは同じ間隔で半音ずつ下がるように設定し、グリッサンド時の音程変化を再現します。
マスターゲインはピッチベンドと同じ間隔で音量を設定し、グリッサンド時の音の減衰を表現します。
グリッサンドの打ち込みを終えたら、ピッチベンドとマスターゲインの値は元に戻しておきましょう。
ビブラート
ビブラートは弦を弾いた後、押さえている弦を上下に動かし、音を揺らす奏法です。
ビブラートの打ち込み
ビブラートはピッチベンドを使用して打ち込みます。上の画像のようにピッチベンド値「0」の位置から上方向に波を作り、音を揺らします。
この時、ピッチベンドの値は半音を超えないように設定しましょう。
●直線入力を上手く活用しよう!
ピッチベンドを細かく書き込む場合はペイントツールの「直接入力」を上手く活用しましょう。直接入力を使用することで、下図のように綺麗なピッチベンドが簡単に描けます。
カッティング
カッティングはストローグとブラッシングを組み合わせて、歯切れのよいリズムを刻む奏法です。
カッティングの打ち込み【Clean Gt】
カッティングはブラッシング部分のMIDIノートを短くすることがポイントです。MIDIノートの長さは「00.00.10」ぐらいに設定するとよいでしょう。
ベロシティはストローク部分よりも少し値を下げておき、差を付けておきます。今回はストローク部分のベロシティ値「100」、ブラッシング部分のベロシティ値「70」に設定しています。
そして、もう一つ大切なことはピッキングの再現です。今回は以下のようにダウン&アップを繰り返しているので、こちらも打ち込みで再現する必要があります。
ダウンピッキングの場合は低い音から弾くので、以下のように入力します。
アップピッキングの場合は高い音から弾くので、以下のように入力します。
ブリッジミュート
ブリッジミュートはピッキングする方の手をブリッジに置き、弦に軽く触れながら弾く奏法です。この奏法はギターにディストーションをかけて、パワーコードと合わせてよく演奏されます。
ブリッジミュートの打ち込み【Distortion Gt】
ブリッジミュートはマスターゲインを使用して打ち込みます。マスターゲインで音量が早く減衰するように書き込み、ブリッジミュート時の音の減衰を表現します。
音量の減衰は鳴り始めから20%あたりの位置でスタートさせ、半分程度まで減衰させます。今回はマスターゲイン値「127」からマスターゲイン値「40」まで減衰させました。
そして、もう一つ大切なことはピッキングの再現です。今回は以下のようにすべてダウンピッキングで演奏しているので、こちらも打ち込みで再現する必要があります。
普通に演奏する部分は以下のように入力します。パワーコードは2音だけなので、打ち込む位置は同じで構いません。ベロシティ値だけ差を付けておきましょう。
ブリッジミュート部分は以下のように入力します。ベロシティ値は普通に弾く部分よりも低く設定し、差を付けておきましょう。
チョーキング
チョーキングは弾いた弦を指で押し上げて音程を変化させる奏法です。音程を上げる動作はチョークアップ、音程を戻す動作はチョークダウンと呼びます。
チョーキングの打ち込み【Clean Gt】
チョーキングはピッチベンドを使用して打ち込みます。チョークアップ時は音程が上がるように書き込み、チョークダウン時は音程が戻るように書き込みます。
今回は「ソ」の音を「ラ」に変化させているので、ピッチベンドは以下のように書き込みましょう。
まとめ
今回はStudio One付属のマルチ音源「Presence」を使用して、奏法別にギターを打ち込むコツやポイントを詳しく解説しました。
ギターを打ち込めるようになると、リアルなギターパートが作れるようになります。本章を読み終えたら、各自でいろんなギターパートを作ってみましょう。
Studio Oneの使い方講座では、ギター以外にも様々な楽器の打ち込み方を解説しています。他の楽器の打ち込み方にも興味があるかたは、以下の記事もあわせてご覧ください。
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